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だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 最近は新旧歴史時代小説やエンターテイメント、ライトノベルにも手を伸ばして節操のない状態に。趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

辺境メシ ヤバそうだから食べてみた/高野秀行 エッセイの感想

◆読んだ本◆
・書名:辺境メシ ヤバそうだから食べてみた
・著者:高野秀行
・初版出版社:文藝春秋
・初版発行日:2018/10/25

◆おすすめ度◆
・驚異の食レポ&エッセイ度:★★★★
・こんなもの食べちゃいけません度:★★★★★
・こんなもの飲んじゃいけません度:★★★★★

◆感想◆
世界各地の辺境を旅してきた辺境探検家・高野秀行が、現地のびっくりな「食」を紹介する食レポ&エッセイ。

なんたって辺境探検家だから、現地で食べるものが違う。
バッタやムカデや蛇などの昆虫や爬虫類は無論のこと、ゴリラの肉や猿の脳みそ、カエルのジュースに胎盤の餃子、巨大ネズミの串焼き…

凄すぎる!

先日読んだ「ひとりメシの極意/東海林さだお」に登場する食べ物はどれも食べたくなったが、本書に登場するのは、食べ物なのかが怪しいものばかりで目を背けたくなる…はずが、逆に目が釘付けになる凄さ。
それをパクパク食べていく著者の命知らずぶりに感動すら覚える。
さすが辺境探検家だ。(なのに胃腸が強くないというのだからびっくり)

変な食べ物だけじゃなく、「カート」「コカ」「ヤヘイ」といった幻覚作用のあるものもイケイケドンドン。
中島らもを彷彿とさせるトリップシーンもあったりして、この人、相当ヤバイです。

「う~、気持ちわりー」と思いながら読んでいたら、夢にまで気持ち悪い食べ物が出てきてうなされて。
それでも最後まで読んじゃうのは、怖いもの見たさ?

本文中に掲載されている写真が白黒で良かった。

◆関連記事◆
ヒキガエルのジュースに虫イタリアン……。衝撃の “世界のヤバい辺境メシ” /ダ・ヴィンチニュース

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東京輪舞/月村了衛 スパイ小説の感想

◆読んだ本◆
・書名:東京輪舞
・著者:月村了衛
・初版出版社:小学館
・初版発行日:2018/10/25

◆おすすめ度◆
・メロドラマなスパイ小説度:★★★
・大事件の裏で暗躍する非合法員度:★★★
・とある公安警察官の昭和,平成回顧録度:★★★

◆感想◆
ロッキード事件、ソ連崩壊、地下鉄サリン事件、警察庁長官狙撃事件などの社会を騒がせた大事件を題材に、事件の裏で何が起きていたのかを描くスパイ小説。

史実と虚構をうまく織り交ぜて、いかにもありそうでなさそうな展開が読みどころ。
著者と同世代のおじさんには、リアルに大事件を体験しているだけ、興味深く読めそう。

公安警察官・砂田の半生と、ロシアの女スパイとの関係は、午後のテレビメロドラマなみ。
事件の裏に女スパイありきな結末で、出だしは硬派だけれど結末は軟派。

主人公の砂田をはじめ、登場人物たちが年を取り、時代が流れていくさまが哀愁に満ちている。
大きな時代の流れに巻き込まれ、溺れないよう必死でもがいているうちに、いつの間にかおじいさんになっちゃうという。
必死でもがいているときは果しがないようだけど、思い返すときになると、人生は短いものなんだなあ。
なんていう感想を抱かせる終わり方。

◆関連記事◆
【著者に訊け】月村了衛氏の公安警察小説『東京輪舞』/NEWSポストセブン

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ひとりメシの極意/東海林さだお エッセイの感想

◆読んだ本◆
・書名:ひとりメシの極意
・著者:東海林さだお
・初版出版社:朝日新聞出版
・初版発行日:2018/10/12

◆おすすめ度◆
・お腹の減る食べ物エッセイ度:★★★★
・作って食べたくなる度:★★★★★
・B級グルメ度:★★★★

◆感想◆
「丸かじりシリーズ」(週刊朝日連載のコラム「あれも食いたいこれも食いたい」)からのベストチョイスエッセイに、太田和彦との対談をくわえた食べ物エッセイ。

バター醤油かけごはんとかオムライスとかカツカレーとか、とっても庶民的な食べ物ばかりがテーマで、読んでいると無性に食べたくなることうけあい。
さすがセレクトされただけはあります。

むかし海苔弁を作って自宅で食べたのは、「懐かしの海苔だけ海苔弁」を読んだからだったのを思い出しました。
今回は「目玉焼きかけご飯」を実践しようかと思案中。
中華カレーマンの自作もやってみたいかも。
簡単カラスミもうまそう。
てか、全部つくって食べてみたくなるっ。

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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~貴族院外伝 一年生/香月美夜 ライトノベルの感想

◆読んだ本◆
・書名:本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~貴族院外伝 一年生
・著者:香月美夜
・初版出版社:TOブックス
・初版発行日:2018/10/10

◆おすすめ度◆
・面白いライトノベル度:★★★
・脇役も面白い度:★★★
・カタカナいっぱいで頭の中がごちゃごちゃ度:★★

◆感想◆
貴族院での、マイン以外の人たちが右往左往する様子を描いた短編集。

やることなすこと間が悪く、思考がマイナススパイラルなハンネローレや、ちょっと思考が?なアンゲリカがいい味出してます。
スーパーで本にまっしぐらななマインもいいけど、ハンネローレやアンゲリカは気持ちが和みます。
マインがいてもいなくてもてんてこ舞いなヴィルフリートも、ちょっとかわいい。

カタカナ登場人物も大勢になって、カタカナ地名もいっぱいあって、ついていくのがやっとです。

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沈黙のパレード/東野圭吾 ミステリー小説の感想

◆読んだ本◆
・書名:沈黙のパレード
・著者:東野圭吾
・初版出版社:文藝春秋
・初版発行日:2018/10/11

◆おすすめ度◆
・エンタメミステリー小説度:★★★★
・理系なトリック度:★★★
・「えええっ!」さらに「えええええっ!」度:★★★★

◆感想◆
「なみきや」の看板娘で歌の上手な並木佐織が行方不明になり、数年後に遺体で発見される。容疑者の蓮沼は、かつて少女殺害事件で警察に逮捕されるも黙秘を続け、証拠不十分で無罪となった男だった…

物理学者の湯川を主人公にしたガリレオシリーズの最新作。
展開が速いし、登場人物もリアリティがあるし、最後まで飽きさせません。
読みだしたら止まらない、ベテラン作家のエンタメミステリー。
散りばめられたとっても思わせぶりな文章が、伏線なのかミスリードなのか、はたまたまったくのブラフなのか。
「えええっ!」と驚いた後にさらに「えええええっ!」な展開。

湯川の推理と男気あふれるセリフが冴えてます。
途中、筒井康隆の「富豪刑事/密室の富豪刑事」を思い出しました。

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ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~/三上延 ミステリー小説の感想

◆読んだ本◆
・書名:ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~
・著者:三上延
・初版出版社:KADOKAWA
・初版発行日:2018/9/22

◆おすすめ度◆
・本にまつわるミステリー小説度:★★★
・ビブリア古書堂の事件手帖番外編度:★★★
・幼い扉子に聞かせるにはちょっと大人の物語り度:★★★

◆感想◆
大輔と栞子が結婚して7年、二人の間には扉子という栞子に似た本好きの娘が生まれているという設定。
その扉子に、栞子が本にまつわるミステリアスな話を語り聞かせるという構成の短編集。

大きな事件が起きるわけでもなく、びっくりするような事件が起きるわけでもない。
ちょっとした悪魔の囁きや先入観が、人を誤らせるという、幼い扉子に聞かせるにはちょっと大人の物語り。

扉子を主人公にした新しいシリーズがスタートするのかと思ったけど、どうも違うようです。
映画化に合わせたメディアミックスのようです。
面白ければ、メディアミックスだろうとなんだろうと構いませんが。

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秋の牢獄/恒川光太郎 ホラー小説の感想

◆読んだ本◆
・書名:秋の牢獄
・著者:恒川光太郎
・初版出版社:角川書店
・初版発行日:2007/11

◆おすすめ度◆
・ブラックテイストなホラー小説度:★★★
・奇妙な世界と登場人物度:★★★
・一日と一生は同義な「秋の牢獄」度:★★★★

◆感想◆
あるモノにとらわれた人の物語り3編。
ある人は繰り返す11月7日から抜け出せず、
ある人は村で代々守ってきた特殊な家にとらわれ、
ある人は自分の中に棲む怪物にとらわれる。

どの中編も、いったいこの小説にはどんなオチが用意されているのだろうと、期待が膨らむが、それを裏切らないところが著者の鬼才なところ。
どこか諦観しているようで、ちょっとブラックなテイストも。

人智の及ばない魔物が登場するのも著者の著作に共通する。
表題作「秋の牢獄」に登場する「北風伯爵」、
「上家没落」の「家」、
「幻は夜に成長する」の怪物。
不条理を形あるものにしたようなそれらは、形あるからこそ理解が早い。
そこが秀逸なところだなあ。

◆関連記事◆
2008年01月号 『秋の牢獄』恒川光太郎/ダ・ヴィンチニュース

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雷の季節の終わりに/恒川光太郎 ホラー小説の感想

◆読んだ本◆
・書名:雷の季節の終わりに
・著者:恒川光太郎
・初版出版社:角川書店
・初版発行日:2006/11

◆おすすめ度◆
・奇妙なホラー小説度:★★★
・独特の異世界ファンタジー小説度:★★★
・中毒性/常習性度:★★★★

◆感想◆
「穏」(おん)と呼ばれる現実世界とは少しずれた空間にある異世界。
そこで暮らす少年・賢也の体験する不思議で奇妙な物語り。

最近の著作に比べてリーダビリティはやや低いものの(二作目だものね)、著者独特の世界観は、初期の頃から出来上がっていたんだなあと改めて感じる。

ここではないどこか、こことつながっている異世界、ユニークな登場人物、思わず唸るような見事な表現。
著者の描き出す異世界は中毒性がある。
読み終わると、著者の他の本を読みたくなります。


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