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だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 最近は新旧歴史時代小説やエンターテイメント、ライトノベルにも手を伸ばして節操のない状態に。趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員VI」/香月美夜 ライトノベルの感想

◆読んだ本◆
・書名:本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員VI」
・著者:香月美夜
・初版出版社:TOブックス
・初版発行日:2019/3/9

◆おすすめ度◆
・面白いライトノベル度:★★★★
・マインが引き起こすお笑い大騒動記度:★★★★
・最近のシリーズの中では出色の出来度:★★★★★

◆感想◆
貴族院2年生になったマインが引き起こす、ちょっと笑える大騒動記。
実技講義でなぜか水鉄砲を実体化させたり、第三王子と図書館で遭遇し思わぬ展開に進展したり。
本人に大騒動を起こしている自覚がないところが、いつものように笑えるポイント。
最近のシリーズの中では出色の出来。

ライトノベルの主人公は普通、異世界でとっても強くて敵をバンバンやっつけるのが爽快だったりますが、マインはちょっと違う方向に力が発揮されているところがユニーク。
おまけに体が弱いし異世界の常識がないし。
才能の無駄遣い、宝の持ち腐れ感が強いところがいいですね。

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拳銃使いの娘/ジョーダン・ハーパー 悪漢小説の感想

◆読んだ本◆
・書名:拳銃使いの娘
・著者:ジョーダン・ハーパー
・初版出版社:早川書房
・初版発行日:2019/1/10

◆おすすめ度◆
・悪漢小説&暴力小説度:★★★★
・スリルとサスペンスとアクション度:★★★★
・ヒロインの少女がたくましい度:★★★★

◆感想◆
ポリーは11年の人生の半分近く、父親に会っていなかった。しかしミドルスクールの正面玄関を出たところに立っているのは、父親だとわかった。きっと脱獄してきたのだと思った…

犯罪組織から命を狙われる父と娘の、犯罪と暴力にまみれたアクション小説。
父娘の生き残りをかけた、犯罪組織との戦いが描かれる。

登場人物は少なく、ストーリーもとってもシンプル。
アクションシーンやサバイバルな駆け引きも読みどころだが、一番印象深いのはポリー(11歳・女)の変貌ぶり。
熊のぬいぐるみが友達の内気なポリーがアウトローな父親と過ごすうち、だんだんと「拳銃使いの娘」に成長?していく。
本当はもっとまっとうな方向に成長して、父親も更正しちゃったりするのが一般人の考える展開だけど、そうはならないところが悪漢小説。
登場人物もワルばっかりだし。
それでもワルはワルなりの矜持があったりしてグッときたりする。

果たして父親は娘を犯罪組織から守ることができるのか!
どうやって犯罪組織に立ち向かうのか!!
父娘に安寧は訪れるのか!!!
ぬいぐるみの熊の運命は!!!!
みたいな感じです。

◆関連記事◆
【今週はこれを読め! ミステリー編】血が滾る冒険小説『拳銃使いの娘』 - 杉江松恋/WEB本の雑誌

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黄泉がえり again/梶尾真治 ファンタジー小説の感想

◆読んだ本◆
・書名:黄泉がえり again
・著者:梶尾真治
・初版出版社:新潮社
・初版発行日:2019/2/28

◆おすすめ度◆
・少年少女向け向けファンタジー小説度:★★★
・スリルとアクション度:★★★
・ユニークな登場人物たち度:★★★
・「室底敦士の取材ノートより編集2」がいい度:★★★★★

◆感想◆
大地震から2年、熊本で“黄泉がえり"現象が再びおきる。何が原因なのか、何が起きようとしているのか…という「黄泉がえり」の続編。

乙女チックなシーンや人に対する思いやりや愛情を、恥ずかしくなるくらいストレートに描写するのは著者ならでは。
登場人物たちも超ユニークでコメディみたいなところも。

なぜ黄泉がえったのか、何をしようとしているのかをテーマに、スリルとアクションそして愛と奇跡の展開が。
こんなふうになったら夢のようだなぁ、という結末に。

「室底敦士の取材ノートより編集2」という本文に挟み込まれたエピソードが、悔しいくらいに感動的。

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天冥の標X 青葉よ、豊かなれ PART1,PART2,PART3/小川一水 SF小説の感想

◆読んだ本◆
・書名:天冥の標X 青葉よ、豊かなれ PART1,PART2,PART3
・著者:小川一水
・初版出版社:早川書房
・初版発行日:PART1: 2018/12/19 PART2: 2019/1/22 PART3: 2019/2/20

◆おすすめ度◆
・とうとう完結のSF大作度:★★★★★
・面白さは超新星爆発クラス度:★★★★★
・振り返れば遥か彼方へ度:★★★★★

◆感想◆
10年にわたって刊行されてきた天冥の標。とうとう完結。


巻ごとに違うテーマが浮かび上がり、巻を追うごとに広げた風呂敷は大きくなり、10巻になっても風呂敷をたたむどころかまだまだ広げ、更にはちぎったり投げたり、新しい風呂敷を広げたりと、最後まで気が抜けない展開。

 救世群とそうでない人たちの決裂と葛藤と和解
 とてつもない質量のスペースオペラ
 知的存在の覇権闘争と進化

そんな「天冥の標」を貫くテーマが最後には大団円を迎え、れぞれの物語の主役たちがきちんと役割を果たす。
相互に影響し合う物語が、収束しそして発散する。

素晴らしい。
妙に思索的だったり不条理きわまる描写もなく、ストレートなSF小説であるところもいい。

面白いシリーズだっただけに終わってしまうのがとても残念。
未読のSFファンには超オススメ。
面白さは超新星爆発クラスです。

◆関連記事◆
天冥の標wiki

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脳はみんな病んでいる/池谷裕二/中村うさぎ ノンフィクションの感想

◆読んだ本◆
・書名:脳はみんな病んでいる
・著者:池谷裕二 中村うさぎ
・初版出版社:新潮社
・初版発行日:2019/1/31

◆おすすめ度◆
・先端科学の話にワクワク度:★★★★
・自閉スペクトラム症とは度:★★★★★
・いったい自分はどうなんだ!?度:★★★★
・中村うさぎがぶっちゃけてます度:★★★★★

◆感想◆
脳研究者の池谷裕二とエッセイストの中村うさぎによる、最先端科学の対談集&自閉スペクトラム症に関するあれこれ。

「はじめに」を読むと、なんかとってもシリアスな内容のようで、本文を読む前からドキドキ緊張する。

けれど、前半は
 トラウマになるような特定の記憶を消去できるようになるかもとか、
 視覚野の97%は、目で見ているものとは関係ない情報を処理しているとか、
 マイコプラズマという単純な生物ならばDNAを化学合成して「創造」できるとか、
 人工知能とか、時間と脳とか、生まれ月と寿命とか。
最先端の科学に関する話題がポンポン出てきて、ワクワクしたり感心したりの面白さ。

先端科学をわかりやすく解説する池谷裕二の文章は相変わらず面白い。

美容整形を何度もしたり、買い物依存症だったことやデリヘル嬢をしていたことなどを、平気でぶっちゃけてる中村うさぎ。
自分探しが過激過ぎです。


後半になると、「はじめに」を読んで感じたシリアスな雰囲気が一気に加速。
なんと著者の池谷裕二と中村うさぎの二名が、精神科医の診察を受けるという展開に。

芸人などが医者の診察や検査を受けるというテレビの企画はよく見るけれど、著者が医者、それも精神科医の診察を受け、内容を詳らかに書き記すというのは大胆。

自閉スペクトラム症(自閉症、アスペルガー症候群、特定不能の広汎性発達障害など)の人が身近にいる読者は、本書が理解の助けになるかな、なんて思いながら読んでるうち、もしかしたら自分はアスペルガー症候群?と自問したくなる体験談もあったりして。

次第に自分がおかしいのか世間がおかしいのか、どこまでが正常でどこからが異常なのか境界線があやふやになるという、著者の狙い通りの感想を抱くことに。

精神科医からかなり突っ込まれた質問をされても、平気でバンバン回答しちゃう中村うさぎが、さらにぶっちゃけてます。

◆関連記事◆
脳は不完全だから可愛い――池谷裕二・中村うさぎ『脳はみんな病んでいる』/Book Bang -ブックバン-

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ニッポン47都道府県正直観光案内/宮田珠己 エッセイの感想

◆読んだ本◆
・書名:ニッポン47都道府県正直観光案内
・著者:宮田珠己
・初版出版社:本の雑誌社
・初版発行日:2019/1/22

◆おすすめ度◆
・マニアック観光案内度:★★★
・画像検索しながら読むと、なお面白い度:★★★
・著者自身の観光マニアぶりもすごい度:★★★

◆感想◆
ですます調の文章で、今までとなんか印象が違うなぁ、なんて思ったけど、内容はいつもの著者らしいマニアックで偏向的な旅行エッセイ。
普通の旅行に飽きた方向けのマニアックなスポットが満載です。

 閉所恐怖症の人はおののくのが必至の穴禅定。
 高所恐怖症の人には聞くだけで鳥肌が立ちそうな無明橋。
 やたらと見たくなる桃洞滝。

画像検索すると、マニアックぶりがわかります。
っていうか、出てくる観光スポットは全部画像検索しながら読みました。

著者の得意な石仏やジェットコースターや石拾いに話が向かいがちですが、ちょっと行ってみたくなる所ばかり。
これだけマニアックな観光をしてきた著者自身にも感心します。

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居酒屋ぼったくり/秋川滝美 ライトノベルの感想

◆読んだ本◆
・書名:居酒屋ぼったくり
・著者:秋川滝美
・初版出版社:アルファポリス
・初版発行日:2014/5/1

◆おすすめ度◆
・ほっこり人情噺度:★★★★
・お腹が減る食べ物小説度:★★★★★
・後を引く面白さ度:★★★★

◆感想◆
東京の下町にある居酒屋を舞台に、店を切り盛りする姉妹と常連たちの、ほんわかとした人情物語り。

みをつくし料理帖」が面白かった人には本書も面白く読めること請け合い。
人情味あふれる登場人物たちと、とってもうまそうなつまみが続々登場。
いたって善良な人情話なので、スリルもアクションも人の心の闇の描写もない。
でもまあ、人が死なないと話しが始まらないミステリー小説よりは健全。
殺伐とした小説を読んだ後の箸休めにちょうどいい。

あたたかい話と美味しそうな料理で、心もあたたまる。
読んでるとお腹がすいてきて、ダイエット中の読書には不向きですね。

◆関連記事◆
アルファポリス『居酒屋ぼったくり』特設サイト

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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員V」/香月美夜 ライトノベルの感想

◆読んだ本◆
・書名:本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員V」
・著者:香月美夜
・初版出版社:TOブックス
・初版発行日:2018/12/10

◆おすすめ度◆
・面白いライトノベル度:★★★★
・本以外のことにも暴走気味のマイン度:★★★★
・「専属への道」がいい度:★★★★

◆感想◆
印刷業の進み具合を確認したり、染め物コンペという新しい催し物を発案したり、腕章を腕につけてワクワクしたり、いつものようにせわしなく過ぎていくマインの毎日だったが…

相変わらず本に関することに心ときめくマインだが、今回は本以外にも魚料理にときめいたり、図書館建設の妄想に心奪われたり。
本とは関係ないことにも暴走気味で愉快愉快。

でも登場人物や地名などカタカナだらけで覚えられず「もう許して」っていう感じも。
巻頭の登場人物一覧や巻末の地図をチラ見しながら、なんとなく登場人物たちの全体像が見えてきたところで読み終わる。
まとめて読んだほうが絶対面白いですね。

下町の家族が登場すると、なぜかホッとするのはマインと同じ。
マインのお母さん・エーファが主人公の短編「専属への道」が、登場人物も少なく本好きの下剋上らしい家族思いのテイストでいい感じ。

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