だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 最近は新旧歴史時代小説やエンターテイメント、ライトノベルにも手を伸ばして節操のない状態に。趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

銀翼のイカロス/池井戸潤 経済小説の感想

◆読んだ本◆
・書名:銀翼のイカロス
・著者:池井戸潤
・定価:821円
・出版社:文春文庫
・発行日:2017/9/5

◆おすすめ度◆
・エンタメ経済小説度:★★★★
・半沢直樹、いろんなヤツと戦う度:★★★★
・脇役もかっこいい度:★★★★

◆感想◆
破綻寸前の帝国航空の再建を担当させられた半沢直樹。なんとか再建のめどが立ったところで新政権から横槍が…

半沢直樹シリーズの第4作は、敵がやたらと拡大し政治家も登場。
国土交通大臣と対決!
さらにタスクフォースリーダーとも対決、金融庁検査官とも銀行内の嫌な奴とも戦う!
シリーズを追うごとにどんどんスケールアップ。
次はアメリカとか出てこないといけなくなっちゃう。
今回は脇役もなかなかいい感じ。
頭取の長台詞は泣かせるし、おねえ言葉の黒崎さえナイスガイに。
そのうち半沢が頭取になって、ロスチャイルド家と戦うっきゃないね。

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大空のサムライ/坂井三郎 戦記の感想

◆読んだ本◆
・書名:大空のサムライ 上:死闘の果てに悔いなし 下:還らざる零戦隊
・著者:坂井三郎
・定価:上950円 下950円
・出版社:講談社+α文庫
・発行日:2001/4/19

◆おすすめ度◆
・息詰まる空中戦シーン度:★★★★
・ノンフィクションとしての歴史的価値度:★★★
・フィクションとしての面白さ度:★★★★

◆感想◆
大日本帝国海軍の戦闘機搭乗員であった坂井三郎の、太平洋戦争での実体験を基にした戦記。

ノンフィクションのようで、実際は記述されいるより撃墜数が少なかったっりして、記録との齟齬がいくつもあるらしい。さらにゴーストライターが書いたのを本人も認めているとのこと。

話を盛ったりゴーストラーターが書いたりしても、フィクションとして読めば全然問題ないし、戦闘シーンや航空機の操作などの詳細はリアルで見事。
半端な小説よりも迫力がある。
(白眉は後半、ガダルカナルでの敵機との空中戦で負傷してからのシーン。よく生きて帰ってきたものだと思う。)

ただし坂井三郎および登場人物のミクロ的史実を知りたいという動機で読む場合は、注意が必要かもしれない。
なんたって詳細は坂井三郎本人しか知らないことばかりなんだから、話を盛ったもん勝ちだ。

それに太平洋戦争のマクロ的史実を知るにはまったくむかない。そういう意図で書かれた本じゃない。
当時の空中戦がどのようなものだったのか知るのには最適な本だ。

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七つの会議/池井戸潤 経済小説の感想

◆読んだ本◆
・書名:七つの会議
・著者:池井戸潤
・定価:864円
・出版社:集英社文庫
・発行日:2016/2/19

◆おすすめ度◆
・社会派クライムノベル度:★★★★
・中堅電機メーカーの闇度:★★★★
・サラリーマンには馴染みすぎて怖い世界度:★★★★

◆感想◆
大企業の子会社で起きるパワハラ事件。多くの社員が驚きをもって見守るパワハラ事件の陰には、巨大な闇が広がっていた…

中堅の電機メーカーを舞台に描かれるクライムノベル。著者の他の小説同様、ぐいぐい読ませる。
斬新な展開も、目新しいテーマも、ユニークな登場人物もいないのに、なんでこんなに面白いんだろう。
不思議だ。
サラリーマンが読めば、登場人物たちの気持ちがよくわかる内容や展開。
自分を登場人物に当てはめるとちょっと怖くなる。
そして、信用を得るのは時間がかかるが失うのは一瞬だ、という言葉が身にしみる。

第三話「コトブキ退社」は、本書の中ではちょっと浮いているように見える。
でも登場するOL・浜本優衣が選んだ、身の丈にあった地道な仕事が、一番やりがいと達成感があったりする。
なにも大きな会社でバリバリ働くだけが能じゃないんだなあ。

◆関連記事◆
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「七つの会議」著者 池井戸潤さん bestseller's interview 第45回/新刊JP

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下町ロケット/池井戸潤 経済小説の感想

◆読んだ本◆
・書名:下町ロケット
・著者:池井戸潤
・定価:778円
・出版社:小学館文庫
・発行日:2013/12/21

◆おすすめ度◆
・エンタメ経済小説度:★★★★
・ざまみろ!なカタルシス度:★★★★
・予定調和の快感度:★★★★

◆感想◆
佃製作所の社長・佃は、取引先から突然の取引終了を通告される。競合する会社からは特許侵害で訴えられ、銀行からは融資を断わられるが…

銀行や大企業の思惑に翻弄される中小企業の姿を描き、最後には技術力認められ苦労が報われて社長も社員も万々歳というエンタメ経済小説。

佃の工場を見た途端に態度が180度変わる国重工の財前部長が変。
まるで中学生のように拗ねる佃の部下・江原もおかしい。
芝居がかりすぎで、展開も安易。もっと技術的な部分を深く書いて欲しい。
帝国重工の社長と佃と関係や、またバルブの制作をあっさり認めるのも都合よすぎ。

と、不満はあるけど、それでもページをめくるのが止まらない面白さ。
わかっていても面白く感じる水戸黄門的カタルシスは素晴らしい。
これで斬新さやユニークさが加わったら、とんでもないエンタメ小説になっちゃう。

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書評・最新書評 : 下町ロケット [著]池井戸潤/BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

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邂逅の森/熊谷達也 マタギ小説の感想

◆読んだ本◆
・書名:邂逅の森
・著者:熊谷達也
・定価:832円
・出版社:文春文庫
・発行日:2006/12/1

◆おすすめ度◆
・マタギの波乱万丈な半生度:★★★★
・女性も豪胆度:★★★★
・圧巻のラスト度:★★★★

◆感想◆
秋田の寒村でマタギとして生きた男の半生。
マタギの話6割、女性や家族や鉱山の話4割といったところ。

マタギより性描写の方がリーダビリティが高いのがいささか憚かる(自分だけ?)が、マタギの生活が興味深い。
狩猟の厳しさや奥深さもさることながら、主人公と関わる女性たちも豪胆。
マタギに負けていない。それでいて女性らしい心遣いも。

ラストの死闘は物語を締めくくるにふさわしい内容。
圧巻です。

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邂逅の森/本の雑誌

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マスカレード・ナイト/東野圭吾 ミステリー小説の感想

◆読んだ本◆
・書名:マスカレード・ナイト
・著者:東野圭吾
・定価:1,782円
・出版社:集英社
・発行日:2017/9/15

◆おすすめ度◆
・ミステリー小説一気読み度:★★★★
・収束する展開度:★★★★
・複雑な人間模様度:★★★

◆感想◆
「ホテル・コルテシア東京」を舞台に事件が展開するマスカレードシリーズの最新作。
TVドラマ化必至のグランドホテル形式のミステリー、読者を飽きさせません。
全部が連携しちゃうのはさすがだし、人間の裏表を描写するのも上手だし、読者をそつなく納得させる手腕にも恐れ入る。
「怪しんで怪しんで、最後に疑問が解けた時、人は一切疑わなくなる」P446 
なるほど!

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「マスカレード」シリーズ/ウィキペディア
マスカレード・ホテル/サイト内

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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女V」/香月美夜 ライトノベルの感想

◆読んだ本◆
・書名:本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女V」
・著者:香月美夜
・定価:1,296円
・出版社:TOブックス
・発行日:2017/9/9

◆おすすめ度◆
・面白いライトノベル度:★★★★
・第三部クライマックス! 度:★★★★
・大笑い度:★★★★

◆感想◆
時々笑いのツボにはまる表現が。
本書ではマインが喜ぶ様子に思わず吹き出す。P129
一番笑ったのは、マインが初めてグ○コのポーズを見たときの描写だったなあ。5分はヒクヒク笑ってた。

◆関連記事◆
本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~/小説家になろう
本好きの下剋上/ウィキペディア

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