だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 最近は新旧歴史時代小説やエンターテイメント、ライトノベルにも手を伸ばして節操のない状態に。趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

砂漠の船/篠田節子

◆読んだ本◆
・書 名:砂漠の船
・著 者:篠田節子
・出版社:双葉社
・定 価:1,600円
・発行日:2004/10/20

◆評価◆
・家族の崩壊度:★★
・狭い世界と広い世界/地域内の親密さと都会の自由度:★★★
・孤立する父親度:★★

◆感想◆
幼い頃、家庭的な生活を送れなかった幹郎は、「人が人らしく暮らせるのは、地域に根付いた家族の中だけだ…」と考える。妻を持ち娘を授かった幹郎は、その考えを彼女達に求めるが…

ご近所との付き合いは大切だけど、本書の主人公である幹郎のような思考は、いささかうざったい。
一見従順な妻や娘が、鬱屈する生活にアレルギー反応を見せたり、次第に自分の生活を求めるようになるのは、いたって当然。
幹郎が自分の勘違いに気付かない様は、若い人達には不可解に映るだろう。

深く感動したり不快になったりもしないし、いまいちインパクトがない。
しかしなぜか、主人公の幹郎は、俳優の「保坂なおき」を思い起こす。
妙にいい人ぶっているところが、似ているのか?

砂漠の船/篠田節子の表紙
 

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クールトラッシュ/戸梶圭太

◆読んだ本◆
・書 名:クールトラッシュ
・著 者:戸梶圭太
・出版社:カッパ・ノベルス
・定 価:800円
・発行日:2004/9/20

◆評価◆
・犯罪小説度:★★★
・それは痛いよ!やだもう度:★★★★★
・強奪した金の奪い合い度:★★★

◆感想◆
鉤崎と仲間3人で仕組んだ強盗。パチスロ屋から現金を強奪するまでは良かったが、びびった米田の不手際により、やむなく隠れ家に潜む…

クールな鉤崎、おしゃべりな浜村、物事に感情の起伏のない米田。特異で残虐な性格の登場人物達による現金争奪戦。
いつものような激安の薬中男はいなし、突飛な展開やアクションシーンもおとなしめなのが残念。

しかし、米田の過去を振り返り描写するシーンは、超痛そう。
ナニの先からナニをナニするなんて、想像するだにオトロシイ。
短いセンテンスでよくこれだけの痛い描写ができるものよ。思わず自分の金玉を握りしめ、さすってしまった。
この部分だけでも、一読の価値あり。

クールトラッシュ/戸梶圭太の表紙
 

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Fake/五十嵐貴久

◆読んだ本◆
・書 名:Fake
・著 者:五十嵐貴久
・出版社:幻冬舎
・定 価:1,700円
・発行日:2004/9/25

◆評価◆
・ギャンブル詐欺小説度:★★★★
・完全無欠の仕掛け度:★★★★
・手に汗握る駆け引き度:★★★

◆感想◆
頭は超悪いが、芸術のセンスはある浪人生昌史。芸大に合格させて欲しいという父親の願いを叶えるため、探偵の宮本は秘策を使うが…

IT技術を使ったカンニングで、大学入試センター試験に臨む宮本。彼に協力する東大卒の美人にして宮本とは訳ありの関係の加奈。芸術には興味と能力はあるが、デブで引きこもりで要領の悪い昌史。賢く金もうけに天才的な才能がありギャンブルにも天才的な力があるが、人に好かれたことのない沢田。
登場人物はなかなかユニークでコメディータッチ。描写もうまい。

後半の復讐劇もテンポいいし、ポーカーのシーンも「マルドゥック・スクランブル」には及ばないものの、緊迫した駆け引きが展開される。
惜しむらくは、全体的に素直すぎるところか。

相手を騙そうとする策は、うなずけるもののインパクトに欠けるし、伏線も見え見えでいささか興醒め。 著者は登場人物の沢田と違い、素直でストレートな性格か。
それが小説に現れているように感じる。


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「Fake」に出てくるカンニングの手法。
真似するやつが絶対出てきそう。
真保裕一の偽札作りの小説が出た時も、同じような手口で偽札を作って逮捕された男がいた。
模倣されるということは、それだけ説得力とリアリティがあるということね。


Fake/五十嵐貴久の表紙
 

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インナーネットの香保里/梶尾真治

◆読んだ本◆
・書 名:インナーネットの香保里
・著 者:梶尾真治
・出版社:講談社青い鳥文庫
・定 価:580円
・発行日:2004/7/15

◆評価◆
・小学生向けSF度:★★
・少女の冒険と逃亡劇度:★★
・山童っていったい度:

◆感想◆
中学生の香保里は、母親と喧嘩して家を飛び出す。どこに行くあてもなくトボトボと歩いている彼女は、若い男の人が倒れているのを見つけ…

若い男性は特殊な能力をもっており、その能力を利用しようと組織が追いかけていた。香保里は彼を助けようと、逃避行を共にする。

男性の持つ能力、逃避行の中で芽生える恋、山童というとんでもない?マシン、いろんな経験をして成長する香保里。
どれをとっても小学生向き。

それはそうと、特殊な能力には怪我を治癒させる能力もあったり。先日読んだ「真夜中の神話」とシンクロするところがあったりして、不思議な感じも。

インナーネットの香保里/梶尾真治の表紙
 

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