だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 最近は新旧歴史時代小説やエンターテイメント、ライトノベルにも手を伸ばして節操のない状態に。趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

アマルフィ/真保裕一

◆読んだ本◆
・書名:アマルフィ
・著者:真保裕一
・定価:1,500円
・出版社:扶桑社
・発行日:2009/04/30

◆おすすめ度◆
・ノンストップ誘拐+α小説度:★★★★
・錯綜するストーリー/精緻な展開度:★★
・スリルとサスペンスとアクション度:★★★

◆感想◆
外務大臣のイタリア外遊に伴い、急遽警護に当たることとなった黒田。イタリアの日本大使館に赴任する早々、火炎瓶による放火騒ぎが発生。さらに邦人の少女が誘拐され・・・

イタリアを舞台にした国際スパイ小説みたいな雰囲気のサスペンス。
小役人モノを書いていただけあって、保身と事なかれ主義の大使館員を描くのはうまい。イラッと感じる。
それに反するようなカッコいい黒田。真摯な態度で女性に対応し、テキパキと的確な判断と行動で事件を解決してゆく。
まるでTVドラマの主人公みたいだ。

それもそのはず、本書は本年7月に上映される映画の原作?なのだ。
帯には織田裕二や天海祐、希戸田恵梨香(かわいい!)の顔写真まで掲載されて、メディアミックスな小説なのである。

そのためか、やや強引な展開や舞台設定に難があるが、スピーディで次第に大掛かりな事件になっていく展開は、著者らしく緻密に構成されている。
手を抜かない真保裕一、エラいぞ。
小説家の矜持か。
でも色んな人たちの意見をまとめて、きちんとした物語にするのに、苦労しただろうなあ。


アマルフィ
アマルフィ/ウィキペディア


「アマルフィ」はイタリア南東の都市。世界遺産もある風光明媚な土地だ。
なんでここが舞台の一つに選ばれたのかなあ?
でもロケとかでいったら楽しいだろうなあ。


アマルフィ

真保 裕一 扶桑社 2009-04-28
売り上げランキング : 110400

おすすめ平均 starAve
star1面白いのではあるけれど・・・
star2上質のエンターテインメント
star3相変わらずの着眼点と展開
star4やっつけ仕事だね
star5映画も観るべし。

by ヨメレバ


◆他サイトの感想◆
アマルフィ 女神の報酬 公式サイト/フジテレビ他

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ボックス!/百田尚樹

◆読んだ本◆
・書名:ボックス!
・著者:百田尚樹
・定価:1,780円
・出版社:太田出版
・発行日:2008/7/8

◆おすすめ度◆
・ボクシング青春小説度:★★★★★
・死闘と友情と恋慕度:★★★★
・思わずシャドーボクシングして肩を痛める度:★★★★★

◆感想◆
高校教師の耀子は、電車の中でタバコを吸い騒いでる少年たちを注意した。と、男の一人が「なめとんのか!」と大声で怒鳴り、耀子の胸元を掴む。悔しさと恐怖で泣きそうになったとき、一人の少年が近づき一瞬のうちに騒いでいた男たちを倒してしまう・・・

天才的なボクシングセンスを持つ高校1年生の鏑矢。おちゃらけていて、ボクシングの練習もいいかげんだが、その強さは並外れている。
鏑矢の幼い頃からの親友木樽。勉強はできるが喧嘩は弱く、いつも鏑矢に助けられていた。
そんな二人を主人公にしたスポーツ青春小説だ。

これが読みはじめると止まらない。

高校生のほろ苦く甘い恋心や、敵対心と友情。
ボクシングという過酷な格闘技に関する技術的な解説。
心も身体も成長する主人公たち。
これらを絶妙に描写しながら、インターハイ、国体、選抜といったボクシングの試合を主軸に物語は展開するが、なんといっても読みどころは格闘シーン。

鍛えられた身体から、汗が迸るのが見えるようだ。
テレビでボクシングの試合を見ている以上に興奮!
思わずシャドーボクシングをやってみたくらい興奮した。(大して動かしてないのに、翌日は肩が痛くなるという体たらく!)
物語のラストでは、宿命的な対決も用意されて、サービス満点。
帯の「優香さん大興奮」にも納得のスポーツ青春小説だ。

未読の方は、ぜひゴールデンウイークの読書計画に!



マイク・タイソン/ウィキペディア


鮮烈な印象が残っているボクサーは、マイク・タイソン。
デビュー当時の強さは桁外れ。
次第にボクシングも私生活も下降線をたどってしまうが、デビュー当時の強さと「趣味が鳩」というアンバランスさが、ものすごく印象的だったなあ。


ボックス!
ボックス!百田尚樹

おすすめ平均
starsすげえー
stars爽やかな熱さのある青春小説です。
starsかけがいのない人達との出会い
starsボクシングをやったことがない人にも読みやすい作品
stars映像化してほしい魅力的なスポーツエンタメ

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◆他サイトの感想◆
積ん読パラダイスinblog
中くらいのしがなさ 感想編
マロンカフェ ~のんびり読書~

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庭師/高瀬美恵

◆読んだ本◆
・書名:庭師
・著者:高瀬美恵
・定価:562円
・出版社:詳伝社文庫
・発行日:2002/9/10

◆おすすめ度◆
・ホラー&スプラッター小説度:★★★★
・狂っていくマンションの住人度:★★★★
・ちょっと恐いかも度:★★★

◆感想◆
分譲マンションを購入したフリーライターの寺内さやか。引越し早々に、幼い女子が犬をいじめているのを目撃したり、エントランスで異臭騒ぎがあったりと、不穏な雰囲気がマンションに漂っていた・・・

いつもは発行されてから間もない新刊本をご紹介しているけれど、今回はちょっと古い文庫本のご紹介。
「食指の動く本がないなあ」と思いながら本屋をウロウロしていると、「マンションにお住まいの方には、オススメできません・・・」のキャッチコピーが。
「ホラー小説か。電車の中で読む本も無くなったしマンションに住んでるし、読んでみっかなー」と安易に購入して(キャッチコピーを考えた人の思う壷だ)読みはじめると、これがなかなか出来たホラー小説。

とあるマンションに引越してきた独身の寺内さやか。
異臭騒ぎやペット失踪事件などが連続して発生し、マンションの住人と接するうち、住人たちの異常な性格や行動が判明してくる。
おまけに住人たちの行動をつぶさに記したホームページまで現れて・・・

出だしは女性の著者らしい冗長な展開に感じたが、よく言えば緻密な文章。
ひたひたと迫る狂気が、いい感じで描かれてる。
マンションの住人たちの変ぶりも、どこかにいそうな性格。
このまま精神的な面での恐さが増幅されていけば恐いホラー小説になる、と思いながらグングン読んでいくと、最後の方はスプラッター主体の展開。
ちょっと残念。

でも電車に乗ってる時間を忘れる面白さだ。
ホラーファンはお見逃し無く!
(見逃してるのは自分だけ?)


パキラ パキラ


「庭師」に登場する主人公は、ベランダにパキラという観葉植物を育ててる。
これは手間いらずで、ほっといてもグングン育つ木で、自分もマンションのベランダに飼って?いた。
ところがいつの間にか枯れてしまったんだなコレが。

いくら手間いらずとはいえ、たまには水をやらないと。
人から「悪魔の住む家」とか言われてしまう。


庭師(ブラック・ガーデナー) (祥伝社文庫)
庭師(ブラック・ガーデナー) (祥伝社文庫)高瀬 美恵

おすすめ平均
stars残念。
starsあー…(若干ネタバレ含みます)
stars面白い!!
stars可もなく不可もなく…
stars非常に残念

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◆他サイトの感想◆
としちゃんの暇な一日
のっちんの独り言

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六つの手掛り/乾くるみ

◆読んだ本◆
・書名:六つの手掛り
・著者:乾くるみ
・定価:1,400円
・出版社:双葉社
・発行日:2009/4/19

◆おすすめ度◆
・短編推理小説度:★★★
・起きる怪事件/明かされる謎度:★★
・シャレた設定と落ち度:★★

◆感想◆
起きる事件とそこにいた関係者。いったい誰が犯人か? 太ったチャップリンみたいな林茶父が、奇妙な点を解き明かすことで、事件を解明する・・・

ひとひねり、二ひねりが得意の乾くるみによる短編推理小説。
やや期待が大きすぎたか、今回はそれなりの推理小説だ。
各短編の題名に特徴があるから、なんかどえらい仕掛けがあるかと。
帯にもイニシエーション・ラブ」の乾くるみが魅せる、鮮やかな世界! と、びっくりマーク付きで書いてあるし、いやでも期待するってもんだ。

でもなんか、無いみたい。
それとも自分が気づかないだけで、とんでもない仕掛けがあるのか?

それにしてもあれだ、いとも簡単に殺人事件が起き過ぎのように感じる。
ミステリー小説だから事件が起きないことには始まらないんだが、血なまぐさい事件が簡単に起きちゃう。
短編小説だからしょうがないだろうけど、動機だってありきたりだし、登場人物も平板。
謎解きのために起きる事件。

好きな著者には期待しすぎるから困ったもんだ。


好き好き大好き超愛してる。


好きな作家の本を読むときは、以前読んだ本と同等以上の面白さを期待してしまう。
それを裏切らないから「好きな作家」なんだけど、もっと大人の恋愛みたいな気持ちで読むのがいいかもね。
「あたしはスキスキ大好き。だからもっと愛して!」じゃなくて、「そのままのあなたが好き」みたいな。
そうすれば、少々面白くない本を読んでも「ステキなひと時をありがとう」って気分になるれるかも。
(ま、金も払ってるし、そんな聖人君子みたいな考え方はできないが)


六つの手掛り
六つの手掛り乾 くるみ


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◆他サイトの感想◆
taipeimonochrome ミステリっぽい本とプログレっぽい音樂

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パラドックス13/東野圭吾

◆読んだ本◆
・書名:パラドックス13
・著者:東野圭吾
・定価:1,700円
・出版社:朝日新聞社
・発行日:2009/4/15

◆おすすめ度◆
・サバイバルエンターテイメント小説度:★★★★★
・タイムパラドクスSF小説度:★★★★
・並行異世界の天変地異度:★★★★★
・夕方から読むと翌日は寝不足度:★★★★★

◆感想◆
大月総理は、宇宙開発研究本部から来た松山という男から、「Pー13現象」についての難解な報告を聞く。
「その現象が起きることによって、何が変わる? 事故や災害に結びつくのか」という総理の質問に松山は、「何らかの変化は起きると思われますが、それを把握することは、論理数学的に不可能なんです」と答えた・・・

いよいよ東野圭吾、ハードSFに進出か!と思わせるプロローグ。
妙な期待をしたけれど、内容はそんな小難しいSFではなく、怒濤のサバイバルエンターテイメント小説。 読みはじめたら止められない。

SFとしての舞台設定はあるものの、そこに重きを置いてはいない。それよりそこで描かれる荒くれる異世界と、そこに投げ出された人々を描写するための設定といっていい。
この異世界の描写がすごい。そしてそこに投げ出された人たちのサバイバル生活が迫力満点。

はじめはB級小説っぽい展開と描写だったが、そのうち物語の世界に完全没入。
登場人物達と一緒にいるような臨場感で、手に汗握りながらハラハラドキドキ。
葛藤する人間ドラマや男女の微妙な心理描写に、寝るのも忘れてしまう。

かっちりしたSFや斬新なミステリー小説を期待するとやや不満が残るが、「小説は面白いのが一番!」と思っている方には超おすすめ。
ハリウッドから映画化のオファーがくるんじゃないか、と思わせるような怒濤のエンターテイメント。
読み終わったあと、「とてつもない天変地異が起きず、見知った人がいっぱいる世界は幸せだなあ」と思ったぞ。

ちゃっかりSFな落としどころも上手で、手練の技を見るようだ。
小難しいこと考えないで、こうゆう面白い小説をバンバン書いて欲しいっ。



大きな地図で見る


官邸
グーグルアースで見ると、もっとリアル

首相官邸


物語の冒頭、大月総理は首相官邸で「Pー13現象」についての報告を聞き、物語の中でも首相官邸が登場する。
これを読んでる時にグーグルで地図とか見ると、より臨場感が湧く。

グーグルってすごいな。
SFの世界を半分くらい現実にしてるように感じるぞ。


パラドックス13
パラドックス13東野 圭吾

おすすめ平均
stars13の設定が活きてない
starsサバイバル
stars一気読み
stars東野作品の中では、フツウ程度の面白さ
stars東野ワールド

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海賊とウェディング・ベル/茅田砂胡

◆読んだ本◆
・書名:海賊とウェディング・ベル
・著者:茅田砂胡
・定価:900円
・出版社:中央公論新社C★NONELS
・発行日:2009/3/25

◆おすすめ度◆
・勧善懲悪冒険小説度:★★★★
・宇宙を駆け巡るSF小説度:★★★★
・痛快爽快エンターテイメント度:★★★★

◆感想◆
ジャスミンとケリーが、宇宙海賊相手に大活躍!という、おなじみのクラッシュ・ブレイズシリーズの13巻。
「デルフィニア戦記」に感動して以来、茅田砂胡の本は自動的購入対象本なのだ。

今回はジャスミンが主役。
持ち前の大胆不敵で異能を発揮する彼女が、海賊や政府軍までをも相手に大活躍。
いつもの美少年たちは登場しないが、おじさんにはこっちの方が読みやすい。

「少女小説のどこが面白んだ?」と思ってるそこのアナタ! 騙されたと思って、読んでみなさい。
面白いんだな、これが。
書店で買うのが恥ずかしい方は、ネットでどうぞ。
私は書店で買うのが、平気になってしまった。


海賊とウェディング・ベル―クラッシュ・ブレイズ (C・NOVELSファンタジア)
海賊とウェディング・ベル―クラッシュ・ブレイズ (C・NOVELSファンタジア)茅田 砂胡

おすすめ平均
starsやっぱりキング&クイーンが最高
starsこういうのが読みたかった!
starsキング・オブ・パイレーツの遺産
stars腹筋が・・・
starsやられた。

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平日の夜に読みはじめたため、翌日は寝不足気味だ。
若い時は徹夜しても平気だったけど、歳を取ると寝不足は気力と体力を奪う。
ジャスミンとケリーのように、いつまでも若いままでいたいものだ。
息子より若い親、というのもいかがとは思うが・・・


◆他サイトの感想◆
booklines.net
ラノベ365日
風のない場所

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