だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 最近は新旧歴史時代小説やエンターテイメント、ライトノベルにも手を伸ばして節操のない状態に。趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

ルー=ガルー2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔/京極夏彦

◆読んだ本◆
・書名:ルー=ガルー2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔
・著者:京極夏彦
・定価:文庫:上下各700円 ノベルス:1,400円 単行本:3,200円
・出版社:講談社
・発行日:2011/10/14

◆おすすめ度◆
・近未来ミステリー度:★★★
・少女たちがめっぽう活躍する冒険小説度:★★★★
・天才少女都築美緒は探偵榎木津礼二郎だ!度:★★★★

◆感想◆
あのおぞましい事件から3ヶ月。被害者の一人であった作倉雛子が、「毒」の入った小壜を友人・律子に渡したことから新たな事件が・・・

「おぞましい事件から3ヶ月」といわれても、リアル世界では10年も過ぎちゃって刊行された「ルー=ガルー」の続編。
登場人物や物語の設定やおぞまし事件の内容なんか全然覚えていないけれども、それでもけっこう面白く読める近未来ミステリー冒険小説。
前作はあんまり面白くなかたような印象があるんだけど・・・
(内容は覚えていないのに、印象は覚えているという不思議!)

物語の舞台は、携帯端末での情報交換による繋がりが当たり前になり、逆にリアルなコミュニケーションが希薄になった近未来。学校に通う14歳の少女たちが、ひょんなことから忌まわしい事件に巻き込まれてしまうという内容。

ユニークなキャラクターたちが、人生とか人と人との繋がりとかに悩んだりしながらも、相手の顔を見て、言葉を聞いて、体温を感じてのコミュニケーションに確固としたものを実感するという反情報化社会な展開と、少女たちが「毒」にまつわる事件に巻き込み巻き込まれながらも、ド派手に事件を解決して行く展開がライトノベル風。

特に天才少女・都築美緒が天衣無縫のハチャメチャぶりで爽快。
彼女が活躍する部分はカタルシスだなあ。
百鬼夜行シリーズに登場する探偵・榎木津礼二郎なみに豪快で有無を言わせぬ解決ぶりだ。
舞台や登場人物は違うけど、ドロドロな人間の業みたいな百鬼夜行シリーズの内容ともけっこう似ているし。

実は本書と「邪魅の雫」とが関連もあったりするらしいのだが、とても覚えきれない京極ワールド。
でも大丈夫です。

ルー=ガルー2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔

京極 夏彦 講談社 2011-10-14
売り上げランキング : 7713
by ヨメレバ
ルー=ガルー2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔<講談社ノベルス>

京極 夏彦 講談社 2011-10-14
売り上げランキング : 232
by ヨメレバ
分冊文庫版 ルー=ガルー2 インクブス×スクブス《相容れぬ夢魔》(上) (講談社文庫)

京極 夏彦 講談社 2011-10-14
売り上げランキング : 1114
by ヨメレバ

単行本、ノベルス、文庫、電子書籍の4形態で同時発売な本書。
近所の本屋には文庫とノベルスが平積みされていたけれど、単行本は棚に1冊だけ。

やっぱり。

◆関連記事◆
京極夏彦 ルー=ガルー2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔/講談社BOOK倶楽部(著者インタビュー記事あり)
分冊文庫版 ルー=ガルー《忌避すべき狼》(上)/アマゾン

テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

プリズム/百田尚樹

◆読んだ本◆
・書名:プリズム
・著者:百田尚樹
・定価:1,500円
・出版社:幻冬社
・発行日:2011/10/5

◆おすすめ度◆
・異色の恋愛小説度:★★★
・ひとつのモチーフでここまで引っ張るか!?度:★★★★
・結婚するなら村田卓也、火遊びなら宮本純也度:★★★

◆感想◆
家庭教師として成城の豪邸に派遣された聡子は、屋敷の中で奇妙な雰囲気の青年に出会うが…

屋敷の中やきれいな庭で出会うたびに印象が異なる奇妙な青年。彼と聡子の関係をテーマにした、異色の恋愛小説。

出版される小説がバラエティに富んでる百田尚樹、多才です。おまけに器用です。
ミステリー小説ではよく使われるモチーフだけれど、それだけで最後まで読ませる豪腕さも。

でもやっぱりさすがに後半は疲れてきて、失速気味な感じ。
素直な読者には読みごたえのある展開なのかもしれないけれど、マニアックな本に慣れている読者には物足りないか。

もっとヘンテコな人格設定にして、もっと過激な関係が描かれて、もっとビックリな展開にして欲しいというのは欲張りすぎ?

プリズム

百田 尚樹 幻冬舎 2011-10-06
売り上げランキング : 231
by ヨメレバ

本書は著者初の恋愛小説らしいが、恋愛がらみの小説では「モンスター」の方が断然パワフル。
「プリズム」の聡子は自分の抑えられない気持ちに翻弄されるが、「モンスター」の和子の情念,執念はハンパありませんっ。

モンスター

百田 尚樹 幻冬舎 2010-03-25
売り上げランキング : 14040
by ヨメレバ

◆関連記事◆
モンスター/百田尚樹/サイト内

テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

孤島の誘拐/戸梶圭太

◆読んだ本◆
・書名:孤島の誘拐
・著者:戸梶圭太
・定価:667円
・出版社:双葉文庫
・発行日:2011/9/18

◆おすすめ度◆
・B級ミステリー小説度:★★
・激安人間ドラマ度:★★★
・歳とともに激安度ダウン度:★★

◆感想◆
人口が300に満たない絶海の孤島。宝くじでにわか成金になった嫌われ者の息子が誘拐される。犯人は? 動機は? はたして真相は!?

家の回りに城壁のような塀をこさえた嫌われ者の宝くじ長者とか、若者のいない孤島で人生をなげてる元教師とか、昔はブイブイいわせたけど今は駄洒落がブイブイな誘拐専門の警部とか、還暦の青年団員とか、安っぽい登場人物たちが活躍?する誘拐ミステリー小説。

1年ぶりのトカジは、以前にもまして普通のB級小説作家の感、大だなあ。
人物を評する接頭語に、「激安」「1円」というフレーズがよく使われていたけれど、本書では「3円」なんていうフレーズが出て来たりして。
著者本人も承知のデフレな感じ。

それでも「リージョンフリーのDVDプレイヤーで『やくざ刑罰人 私刑!』を見たい」とか、海に向かって放り投げた塩辛の瓶とかのシーンにB級小説の醍醐味を感じちゃう。

けっこう好きなんです、トカジのB級小説。

孤島の誘拐 (双葉文庫)

戸梶 圭太 双葉社 2011-09-15
売り上げランキング : 80055
by ヨメレバ

YuoYubeの『やくざ刑罰人 私刑!』予告編は、トカジなB級度が炸裂!
登場人物に「見たい」といわせたくなる残酷で無惨なシーンの連続。
まるで昔のトカジそのまんまだ。

かなりえぐいです
111004.jpg
『やくざ刑罰史 私刑(リンチ)!』 予告編/nicozon

◆関連記事◆
孤島の誘拐(戸梶圭太)/黒夜行
戸梶圭太 公式サイト

テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

FC2Ad