だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 最近は新旧歴史時代小説やエンターテイメント、ライトノベルにも手を伸ばして節操のない状態に。趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

掏摸/中村文則

◆読んだ本◆
・書名:掏摸
・著者:中村文則
・定価:1,300円
・出版社:河出書房新社
・発行日:2009/10/30

◆おすすめ度◆
・ハードボイルド風純文学度:★★★
・ミステリアスでスリリングな展開度:★★★
・理不尽で不条理な運命度:★★★★

◆感想◆
天才的掏摸(すり)師が、その技量がゆえに巻き込まれる犯罪と運命を描いたハードボイルド風純文学小説。

天才的掏摸師というのがなかなかそそる設定。
けど、内容や展開は、ミステリーやハードボイルド小説としては古めかしい感じが。
文章のタッチはハードボイルドだけど、底に流れるテーマは純文学風。
ラストもミステリー小説のような結末にはなっていないし。

むかしの仲間繋がりで、主人公は大きな犯罪に巻き込まれていくが、スリのテクニックを発揮して難局を切り抜ける・・・みたいな展開で。
もっと実際の掏摸のテクについて読みたかった気もするが、著者の狙いはその辺にはなくて、強いチックを起こす売春する主婦や、彼女に掏摸を強要される子供や、運命について喋る犯罪集団のボスなどの脇役から連想される、理不尽 で不条理な人間の運命にあるよう。

うーん。
エンターテイメント小説としてはもっとスリルとサスペンスが欲しいところだし、純文学としてはもっとドロドロネバネバした運命から脱する/運命に埋没する主人公を見てみたかった気も。
本書のあたりがちょうどいい折衷具合か。

掏摸
掏摸
おすすめ平均
starsボリューム的には中編
stars今ひとつ。
stars圧倒的なスケール感、リサーチ力の文章が動き出すようです
stars神こそがゲームを楽しむ?
stars映像を読む気分だった

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主人公のような天才的掏摸師のテクを見てみたいっ!!
っとおもったら、今はマジシャンとしてエンターテイメントショーに登場!

◆他サイトの感想◆
飴色色彩日記
MSN産経ニュース
asahi.com(朝日新聞社)
森乃屋龍之介の日常

テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

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