だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 最近は新旧歴史時代小説やエンターテイメント、ライトノベルにも手を伸ばして節操のない状態に。趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

完全なる首長竜の日/乾緑郎

◆読んだ本◆
・書名:完全なる首長竜の日
・著者:乾緑郎
・定価:1,400円
・出版社:宝島社
・発行日:2011/1/22

◆おすすめ度◆
・サスペンスミステリー小説度:★★★
・静謐な筆致度:★★★
・混ざりあう夢と現実度:★★★

◆感想◆
自殺未遂により昏睡状態にある弟と、コーマワークで意思疎通をはかる姉。しだいに現実と夢とが混在するような感覚に襲われるようになり・・・

「第9回このミステリーがすごい!大賞」の大賞受賞作。

主人公はマンガ家の淳美。
淳美が昏睡状態にある弟とリアルな夢のように意志疎通をはかるシーンと、子供の頃のフワフワとした記憶と、漫画マンガ家として働いてる淳美のリアルな日常が交互に描写される。
しかし、しだいに夢のようなコーマワークと現実と思い出が混ざりあってしまい、それがびっくりな展開に繋がるというミステリー。

あまり抑揚のない静かなタッチの描写が特徴的。
ミステリー小説の体裁でけど、エンターテイメントというより文学的な雰囲気の方が勝っているかも。
夢と現実がしだいに混ざりあうような描写もうまい。

しかし一番興味を惹かれたのは、昏睡状態の人と意思疎通をはかる「コーマワーク」という技術。
小説ではリアルな夢のように描写されているけど、実際にはそこまでのコミュニケーションはできないような。
このコーマワークを題材にしたことが、本書のポイント。
なるほどねえ。

完全なる首長竜の日

乾 緑郎 宝島社 2011-01-08
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何が恐いって、病気や事故で寝たきりになって誰とも意志の疎通ができなくなる閉じ込め症候群が一番恐い。
正確には、閉じ込め症候群では眼球運動は維持されており、眼開閉により意思疎通が可能であるとのことだが、眼も動かなくなったらどうする?!

意識はちゃんとしているのに外界とのコミュニケーションがとれないなんて、考えるだに恐ろしい。

でも「コーマワーク」という技術が進歩すれば、そんな不安も解消?。

◆他サイトの感想など◆
本と日々のいろいろ
ミステリ通信 創刊号
『このミステリーがすごい!』大賞/推薦コメント/宝島社

テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

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