だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 最近は新旧歴史時代小説やエンターテイメント、ライトノベルにも手を伸ばして節操のない状態に。趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

the SIX ザ・シックス/井上夢人

◆読んだ本◆
・書名:the SIX ザ・シックス
・著者:井上夢人
・定価:1,600円
・出版社:集英社
・発行日:2015/3/10

◆おすすめ度◆
・少年向け超能力小説度:★★★
・見方を変えれば苦しいし、見方を変えれば楽しい度:★★★
・しんにゅうの謎度:★★★★★

◆感想◆
超能力ゆえに苦しむ少年や少女を主人公にした連作短編集。
ホラーやミステリーというより、心温まる少年向け超能力小説といった感じ。

大人が読んでも面白いが、主人公たちと同じ年頃の少年が読んだら、10倍面白く感じるかも、なんて思いながら読んでると…
ん、なんかしんにゅう(しんにょう)が変だ。

「道」「過」など普通は三画のしんにゅう「辶」の漢字が、四画のしんにゅう「辶」になっている。
これはもしかするととんでもないメッセージが隠されているのかも!
気づいて以降しんにゅうの漢字にばかり気を取られてなかなかストーリーが頭に入ってこないぞ。
それにしてもしんにゅうの漢字多いぞ。そのほとんどが四画のしんにゅう「辶」なんだけど、いくつかの漢字が三画のしんにゅう「辶」になっている!
全部読み終わってから数えると「辺」「送」など6文字の漢字だけが三画のしんにゅうだ!
書名も「the SIX ザ・シックス」だし、これは意味があるに違いない…

でもいくら考えても意味が分からない。
これはいったいどんなメッセージなんだ?
それともメッセージなんてないのか?

ラバー・ソウル/井上夢人

◆読んだ本◆
・書名:ラバー・ソウル
・著者:井上夢人
・定価:1,900円
・出版社:講談社
・発行日:2012/6/6

◆おすすめ度◆
・ホラーな展開のサスペンス小説度:★★★★
・すべてが180度変わるミステリー小説度:★★★★★
・ビートルスの歌詞を読むとさらに切な悲しい度:★★★★

◆感想◆
特異な外見から引きこもった生活を送っていた音楽評論家の鈴木誠。彼が偶然居合わせたロケでモデルの美縞絵里と出会ったことが、すべてのはじまりだった…

魔法使いの弟子たち」以来2年ぶりの井上夢人。
本屋で手に取った時は、なんだか恋人にあったときみたいにドキドキしちゃうのは、ちょっと著者に惚れ込みすぎ?
本屋に行くと必ず井上夢人の棚を見て新刊がないか確認しちゃうのは、ちょっとストーカーっぽい?

そんな井上夢人フェチな自分よりも、もっとストーカーな人物として登場するのが鈴木誠。
その外見が深海魚のホウライエソを連想させるような怪奇さ。ゆえに人に会うことを厭い、家に引きこもった生活をしていたが、モデルの美縞絵里と運命的な出会いをしたことで、彼の人生が変わって行く。

物語は鈴木誠や美縞絵里など、事件にかかわった人の一人称で語られ、鈴木誠の美縞絵里へのストーキングがエスカレートしていくホラーでサスペンスな展開。

ただこれで終わるわけはなく、どんなミステリーな仕掛けがしてあるのか想像しながら読み進めるも、ことごとく著者のミスリードにひっかかってしまうという。ああ騙されるって一種快感だ。

はてさてその結末は!?

なんだか切なく悲しい、まるで青春小説を読んだ時のようなテイストは、井上夢人の持ち味だなあ。
善悪、美醜が180度変わってしまう落ちも見事。(だから一人称なのね)
ビートルズの”ラバー・ソウル”の歌詞といっしょに読みすすめると、とんでもなく緻密な構成と展開に感心し、さらにせつな悲しくなる。

本書の帯には「空前の純愛小説が幕を開ける」とあるけど、空前ということはないだろう?
著者の本で一番好きなのは「ダレカガナカニイル…」。
これこそ空前絶後、輪廻転生の恋愛小説だ。

◆関連記事◆
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テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

魔法使いの弟子たち/井上夢人

◆読んだ本◆
・書名:魔法使いの弟子たち
・著者:井上夢人
・定価:1,900円
・出版社:講談社
・発行日:2010/4/1

◆おすすめ度◆
・大胆びっくりホラー小説(火田七瀬)度:★★★★★
・とんでもSF小説(チャーリー・マクギー)度:★★★★★
・希有壮大サスペンス(稲村慎司)度:★★★★★
・時空を超えたロマンス(葉山晶子)度:★★★★

◆感想◆
週刊誌ライターの仲屋京介は、竜王大学病院で起きた新興感染症を取材するため山梨へ向かう。現地で取材をはじめたとき大学病院の関係者の女性と接触したことで、彼もウイルスに感染してしまうが・・・

面白い!
面白すぎるぞ、井上夢人!
長編の新刊を9年間待ったかいがあるってもんだ。

物語の出だしはバイオハザードっぽいサスペンス風。でも読み進めるとドンドンドンドン大風呂敷が広がって、「おいおい大丈夫か?」と言いたくなるような大胆な展開に。

ヘタするとただ荒唐無稽な小説になりそうだが(読む人によってはそうなっているかもしれなけど)、寸止めでワクワクドキドキハラハラのエンターテイメント小説に留まっている。と、読んだ。

こうゆうのは読みはじめたら一気に読んじゃうのが楽しむコツだし、一気に読ませる面白さ充分。
ちょっと俯瞰して読んだりすると、シラケちゃうかもしれないからね。

内容については詳しく知らないで読んだほうが断然いい。
優しげなキャラクターの登場人物や、どっかで読んだことありそうな展開に、著者のファンは滝のようなうれし涙。

井上夢人ファンはお見逃しなく!
そうでない方も是非!


魔法使いの弟子たち
魔法使いの弟子たち井上 夢人

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stars井上ワールド全開♪

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おすすめ度の人名解説。
(解説っていうほどではなんですが・・・ ネタバレに近いかも、です)

火田七瀬:
 筒井康隆「七瀬三部作」の主人公。
 はじめて読んだ時はビックリしたなあ。
チャーリー・マクギー:
 S・キング「ファイアスターター」のヒロイン。
 この小説でキングに目覚めました。
稲村慎司:
 宮部みゆき「龍は眠る」の主人公。
 宮部みゆきの傑作小説。等身大の主人公は従来にないタイプで斬新。
葉山晶子:
 井上夢人「ダレカガナカニイル…」のヒロイン。
 この小説、究極の恋愛小説でもあります。


家族八景 (新潮文庫)
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stars心象表現がいいです。
starsエロい人は注意
stars人の醜悪さ、狂気、内面の汚さ
stars七瀬の未来は・・・
starsテレパスってこわい

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七瀬ふたたび (新潮文庫)
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stars超能力者の人間ドラマ
stars主人公キャラが支持された数少ない筒井作品の一つ
stars3部作のなかで1番おもしろく、好きです。
starsわくわくどきどきスリル満点
stars本格SF作品!

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エディプスの恋人 (新潮文庫)
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stars長女を七瀬と名付けました
starsアイドル性、最大活用
stars筒井さんもかなり無理して書いたのでは
stars狙いすぎかなぁ。
starsファンをSF的に叩きのめし、キャラクターを封印してしまった

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ファイアスターター (上) (新潮文庫)
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starsクロスファイア。
stars眠れなかった
stars「火をともす人」にもなりうるのに
stars忘れられない逸品
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ファイアスターター (下) (新潮文庫)
ファイアスターター (下) (新潮文庫)深町 真理子

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stars少女が生き残るためにとった最後の行動は?
stars他には考えられない!
starsやっぱりキングはおもしろい

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龍は眠る (新潮文庫)
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starsミステリーと超能力の取り合わせの妙味
starsクライマックスの事件がなあ・・・・・
starsベストの一冊です。
stars超能力者の苦悩をまるで現実のように描いている作品
starsリアリティがさすが

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ダレカガナカニイル… (講談社文庫)大森 望

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stars輪廻の蛇
stars何も考えずにとにかく読んでみよう。
stars引き込まれる
stars大げさなコピーも納得
stars井上夢人としては初めての作品

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the TEAM/井上夢人

◆読んだ本◆
・書 名:the TEAM
・著 者:井上夢人
・出版社:集英社
・定 価:1,700円
・発行日:2006/1/30

◆評価◆
・軽妙な語り口のミステリー度:★★★★
・霊能者のホントとウソ度:★★★
・ひねった展開としゃれた落ち度:★★★

◆感想◆
盲目の霊能者能城あや子。彼女がTV番組で霊視する内容は、ことごとく当たる。しかしそのウラには、事前に相談者を調査するチームが…

いやーホント久々の著者の新刊。
するすると読める軽い文章、ちょっとせつなくユーモアにあふれた描写。井上夢人が健在していることを確かめられただけで、満足って思えてしまう。

物語は霊能者の能城あや子と、彼女をサポートするチームの、ちょっとスリリングでアブナイ感じの連作ミステリー。
少々ひねりや展開に往年の輝きがないような気もするが、著者お得意のIT関係の技術的を使った情報収集法や鮮やかな落ちなど、ファンには見逃せない小説。

ささっと書いているようで、こまかな気配りがされているところに、好感が持てる作家だよなぁ。
ほめてる割には点数低いけど。

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