だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 最近は新旧歴史時代小説やエンターテイメント、ライトノベルにも手を伸ばして節操のない状態に。趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

シャッター・マウンテン/北林一光

◆読んだ本◆
・書名:シャッター・マウンテン
・著者:北林一光
・定価:1,700円
・出版社:角川書店
・発行日:2013/2/28

◆おすすめ度◆
・サスペンス&ホラー小説度:★★★★
・正統派で由緒正しい展開 度:★★★★
・山荘とホテルに閉じこけられた人々の運命は!?度:★★★

◆感想◆
幽霊を見たという噂話が頻出している北アルプスの漆沢渓谷。不穏な空気が蔓延する中、麓に続く道で土砂崩れが起きる。ホテルと山荘に閉じ込められた登山客たちに、想像を超えた恐ろしい出来事が…

「ファントム・ピークス」「サイレント・ブラッド」という秀作を残して夭折した著者。遺品のワープロから発見、復元されたという本書は、過去の小説と同様、自然の山や動物などをあつかったケレンみのない文章がすばらしい。

目新しさや度肝を抜く展開はないけれど、由緒正しい日本のホラー小説の王道をいくような小説。

かつて見たこともないような動物たちの出現、少女の幽霊を見たという噂話、そしてサスペンスでホラーな展開を煽るような土砂崩れ。
ホテルや山荘に取り残された登山客たちに、そうれはもう恐ろしい出来事が襲いかかる!

「ファントム・ピークス」や「サイレント・ブラッド」は、ややサスペンスに傾いた物語だったけど、本書はホラーに重きを置いた内容に。
ホラー小説ファンにおすすめの一冊です。

「閉ざされたホテル」「ホラー小説」で思い起こすのはS・キングの「シャイニング」だけど、さらに「シャイニング」を連想させるのは本書の装画。
まるでS・キングの本なんである。
と思ったら、S・キングの本の装幀でおなじみの藤田新策とう人の装画。

角川書店の担当者も、「シャイニング」を連想したということかな。

◆関連記事◆
サイレント・ブラッド/北林一光/サイト内
シャイニング /アマゾン

テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

サイレント・ブラッド/北林一光

◆読んだ本◆
・書名:サイレント・ブラッド
・著者:北林一光
・定価:743円
・出版社:角川文庫
・発行日:2011/8/25

◆おすすめ度◆
・ホラーなサスペンス小説度:★★★★
・ミステリーな山岳冒険小説度:★★
・不思議な存在感のオババ度:★★★

◆感想◆
失踪した父親の車が長野県大町市で見つかったとの情報を得て、行方を探す手掛りはないかと現地に向かった息子・一成は、深雪という女性と知り合う。彼女の助けを借りながら父親の行方を調べるが・・・

「父親はなぜ失踪したのか? そしてどこへ?」というミステリー小説な展開と、不思議な力を持つ「オババ」や「トンチ」といった登場人物がかもし出すホラーな味わいの小説。

ミステリー小説としてはやや弱いけれども、ホラー小説としてはいい感じ。
物語の舞台が山深い長野県というのもいい雰囲気を出してるし、不思議な力を持っているオババやトンチといった脇役が、存在感ありまくり。
そっちを主役にした方が良かったと思うほどだ。

おまけに手に汗な沢登りのシーンもあったりして、山岳小説なテイストも。
謎が「カクネ里」という聖域っぽい場所に収斂していく設定もいいぞ。
ホラーでサスペンスでミステリーで山岳冒険小説小説という、贅沢な一冊だ。

サイレント・ブラッド (角川文庫)

北林 一光 角川書店 2011-08-25
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著者の北林一光には「ファントム・ピークス」という著書があり、帯には「宮部みゆき氏絶賛」のコピーが。
「どれどれ」と、読みはじめたら止められない。
山と、そこに生きる人間や動物の過酷で壮絶な物語は、昔でいえば西村寿行の動物モノや、最近でいえば熊谷達也の銀狼王、樋口明雄の約束の地に感動した人にはうってつけの小説。

著者には他にどんなのがあるのかと調べたら、なんともうすでに亡くなっているとのこと。
ウーム、無念なり。

と、思っていたら「サイレント・ブラッド」が出版されてちょっとビックリ!

ファントム・ピークス (角川文庫)

北林 一光 角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-12-25
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