だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 最近は新旧歴史時代小説やエンターテイメント、ライトノベルにも手を伸ばして節操のない状態に。趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

銀翼のイカロス/池井戸潤 経済小説の感想

◆読んだ本◆
・書名:銀翼のイカロス
・著者:池井戸潤
・定価:821円
・出版社:文春文庫
・発行日:2017/9/5

◆おすすめ度◆
・エンタメ経済小説度:★★★★
・半沢直樹、いろんなヤツと戦う度:★★★★
・脇役もかっこいい度:★★★★

◆感想◆
破綻寸前の帝国航空の再建を担当させられた半沢直樹。なんとか再建のめどが立ったところで新政権から横槍が…

半沢直樹シリーズの第4作は、敵がやたらと拡大し政治家も登場。
国土交通大臣と対決!
さらにタスクフォースリーダーとも対決、金融庁検査官とも銀行内の嫌な奴とも戦う!
シリーズを追うごとにどんどんスケールアップ。
次はアメリカとか出てこないといけなくなっちゃう。
今回は脇役もなかなかいい感じ。
頭取の長台詞は泣かせるし、おねえ言葉の黒崎さえナイスガイに。
そのうち半沢が頭取になって、ロスチャイルド家と戦うっきゃないね。

◆関連記事◆
半沢直樹シリーズ/ウィキペディア
オレたちバブル入行組/サイト内
オレたち花のバブル組/サイト内
ロスジェネの逆襲/サイト内
『半沢直樹』今度の敵は民主党! 小沢一郎、前原誠司、蓮舫に倍返し?/LITERA

テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

ロスジェネの逆襲/池井戸潤 経済小説の感想

◆読んだ本◆
・書名:ロスジェネの逆襲
・著者:池井戸潤
・定価:756円
・出版社:文春文庫
・発行日:2015/9/2

◆おすすめ度◆
・エンタメ経済小説度:★★★
・勧善懲悪、一発逆転度:★★★
・なんだか皆んな怒ってる度:★★★

◆感想◆
銀行系の証券会社に出向させられた半沢。そこでさらに親会社から嫌がらせとも思える業務妨害を受けるが…
半沢直樹シリーズの第3作。IT企業と証券会社,銀行を舞台にした、絡みの食うか食われるかのM&A小説。

のっけからなんだか怒ってる人がいっぱいだ。どいつもこいつも皆んなカンカン。
逆に半沢はクール。人生訓なんかたれたりしてオトナ。
物語は二転三転するも予定調和の大団円に向けて舞台がととのい、待ってましたとなかりに半沢直樹が登場。
まるで水戸黄門みたいだ。
こうなるとわかっていてもスカッと爽快。

◆関連記事◆
ロスジェネの逆襲/ウィキペディア
オレたちバブル入行組/サイト内
オレたち花のバブル組/サイト内

テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

オレたち花のバブル組/池井戸潤 経済小説の感想

◆読んだ本◆
・書名:オレたち花のバブル組
・著者:池井戸潤
・定価:713円
・出版社:文春文庫
・発行日:2010/12/3

◆おすすめ度◆
・エンタメ経済小説度:★★★
・勧善懲悪、一発逆転度:★★★
・半沢直樹の正義の鉄槌!度:★★

◆感想◆
巨額の損出を出した老舗ホテルの再建を押し付けられる半沢だが…
「基本は性善説。やられたらやり返す、倍返しだ」の半沢直樹シリーズの第2作。

老舗ホテルの再建と、金融庁の検査にてんてこ舞いな半沢直樹のパートと、「タミヤ電機」に出向した半沢直樹の同期・近藤のパートが並行して展開。
一見関係ない二つのパートがどうつながるのかが読みどころ。

シリーズの第1作に比べると、スカッと爽快な半沢直樹の勧善懲悪キャラが薄め。
逆に半沢直樹に対する金融庁・黒崎のオネエキャラがインパクトあり。
なんだかアニメみたいな分かりやすく強烈なキャラがいっぱい登場するようになってきた。

しみじみとさせられるのは半沢の同期・近藤。
心の病気がもとで出世レースから落ちこぼれ、「タミヤ電機」に出向。
社長に嫌味を言われながら鬱々とした日々を過ごしていたが、「タミヤ電機」の不自然な経理を見つけてから、今までと一転し正義の鉄槌を振り上げる。

予想に違わず、半沢は起死回生一発逆転勝ち、近藤はV字回復の予定調和な結末。
しかし半沢に予想外な処分が…。
次巻に続く…。

◆関連記事◆
オレたち花のバブル組/ウィキペディア

テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

オレたちバブル入行組/池井戸潤 経済小説の感想

◆読んだ本◆
・書名:オレたちバブル入行組
・著者:池井戸潤
・定価:713円
・出版社:文春文庫
・発行日:2007/12/6

◆おすすめ度◆
・エンタメ経済小説度:★★★
・勧善懲悪、信賞必罰度:★★★
・半沢直樹の正義の鉄槌!度:★★★★

◆感想◆
バブル期に大手銀行に入社したものの、現在はしがない中間管理職の半沢。
支店長命令で融資した資金が焦げ付き、責任を押し付けられるが…

悪い奴はとことんとっちめる!半沢直樹の正義の鉄槌がっ!なエンタメ経済小説。半沢直樹シリーズの第1作。
出だしがもたついている感じだったが、勧善懲悪の構図がはっきりしてからは一気に読ませる展開。
「借りた金は返さない」融資先に対する「晴天に傘を差しだし、雨天にとりあげる」銀行の対決。
勧善懲悪というよりどっちもどっち、みたいな。

半沢直樹のキャラも魅力的。
「やられたらやり返す。泣き寝入りはしない。十倍返しだ」とうそぶく半沢直樹。
こんなに言いたい放題、やりたい放題の銀行員はいないだろうけど、思ったことをズバズバ言って、悪に屈しない姿が爽快。
著者は銀行員時代の鬱憤を主人公に載せてはらしてるのか!?

◆関連記事◆
オレたちバブル入行組/ウィキペディア

テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

七つの会議/池井戸潤 経済小説の感想

◆読んだ本◆
・書名:七つの会議
・著者:池井戸潤
・定価:864円
・出版社:集英社文庫
・発行日:2016/2/19

◆おすすめ度◆
・社会派クライムノベル度:★★★★
・中堅電機メーカーの闇度:★★★★
・サラリーマンには馴染みすぎて怖い世界度:★★★★

◆感想◆
大企業の子会社で起きるパワハラ事件。多くの社員が驚きをもって見守るパワハラ事件の陰には、巨大な闇が広がっていた…

中堅の電機メーカーを舞台に描かれるクライムノベル。著者の他の小説同様、ぐいぐい読ませる。
斬新な展開も、目新しいテーマも、ユニークな登場人物もいないのに、なんでこんなに面白いんだろう。
不思議だ。
サラリーマンが読めば、登場人物たちの気持ちがよくわかる内容や展開。
自分を登場人物に当てはめるとちょっと怖くなる。
そして、信用を得るのは時間がかかるが失うのは一瞬だ、という言葉が身にしみる。

第三話「コトブキ退社」は、本書の中ではちょっと浮いているように見える。
でも登場するOL・浜本優衣が選んだ、身の丈にあった地道な仕事が、一番やりがいと達成感があったりする。
なにも大きな会社でバリバリ働くだけが能じゃないんだなあ。

◆関連記事◆
七つの会議/ウィキペディア
「七つの会議」著者 池井戸潤さん bestseller's interview 第45回/新刊JP

テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

空飛ぶタイヤ/池井戸潤 経済小説の感想

◆読んだ本◆
・書名:空飛ぶタイヤ
・著者:池井戸潤
・定価:上745円 下745円
・出版社:講談社文庫
・発行日:2009/9/15

◆おすすめ度◆
・一気読み経済小説度:★★★★★
・予定調和と勧善懲悪の快感度:★★★★
・三菱自動車から訴えられない?度:★★★★

◆感想◆
三菱自動車のタイヤ脱落事故をモデルにした経済小説。
事故を起こした運送会社の社長が、その原因が自動車自体の欠陥であることを突き止めようと、巨大企業に刃向かう姿を描く。

これぞサザエさん的予定調和の安心感と、水戸黄門的勧善懲悪の爽快感の見本のような小説。
内容も展開も登場人物もありきたりなのにこれだけ読ませる筆力。
悪役、いいもん役、それぞれの役割が見えていて展開も読めているのにこの面白さ。
不思議だ。
これにミステリーな要素やマニアックな要素が加わったら鬼に金棒状態。

でもこんな「三菱リコール隠し事件」そのまんまな小説を書いて、三菱自動車から訴えられたりしないんだろうか?
「本書はフィクションであり、実在の場所・団体・個人等とは一切関係ありません」と断られると、三菱自動車もどうしようもないんだろうか。
事実そのまんまだから、どうしようもないんだろうか。

◆関連記事◆
空飛ぶタイヤ/ウィキペディア
書評・最新書評 : 空飛ぶタイヤ [著]池井戸潤/BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

下町ロケット/池井戸潤 経済小説の感想

◆読んだ本◆
・書名:下町ロケット
・著者:池井戸潤
・定価:778円
・出版社:小学館文庫
・発行日:2013/12/21

◆おすすめ度◆
・エンタメ経済小説度:★★★★
・ざまみろ!なカタルシス度:★★★★
・予定調和の快感度:★★★★

◆感想◆
佃製作所の社長・佃は、取引先から突然の取引終了を通告される。競合する会社からは特許侵害で訴えられ、銀行からは融資を断わられるが…

銀行や大企業の思惑に翻弄される中小企業の姿を描き、最後には技術力認められ苦労が報われて社長も社員も万々歳というエンタメ経済小説。

佃の工場を見た途端に態度が180度変わる国重工の財前部長が変。
まるで中学生のように拗ねる佃の部下・江原もおかしい。
芝居がかりすぎで、展開も安易。もっと技術的な部分を深く書いて欲しい。
帝国重工の社長と佃と関係や、またバルブの制作をあっさり認めるのも都合よすぎ。

と、不満はあるけど、それでもページをめくるのが止まらない面白さ。
わかっていても面白く感じる水戸黄門的カタルシスは素晴らしい。
これで斬新さやユニークさが加わったら、とんでもないエンタメ小説になっちゃう。

◆関連記事◆
下町ロケット/ウィキペディア
書評・最新書評 : 下町ロケット [著]池井戸潤/BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

次のページ

FC2Ad