だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 最近は新旧歴史時代小説やエンターテイメント、ライトノベルにも手を伸ばして節操のない状態に。趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

11 eleven/津原泰水

◆読んだ本◆
・書名:11 eleven
・著者:津原泰水
・定価:1,700円
・出版社:河出書房新社
・発行日:2011/6/30

◆おすすめ度◆
・不思議テイスト満載小説度:★★★
・ミステリアスでホラー度:★★
・エキセントリックで不条理でデモーニッシュ度:★★

◆感想◆
不思議テイスト満載の、ミステリアスでエキセントリックでデモーニッシュ(カタカナ多いぞ)な短編集。

本の雑誌で二人の書評者がベタ褒めしてたから、どんなものかと久しぶりに著者の本を読んでみることに。
単純明快な小説が好みの自分には、やや面倒くさい短編小説といった印象。
それでもトップを引く「五色の舟」と「延長コード」が★★★★でとっても異次元。

「五色の舟」は、未来を予言するという「くだん」にまつわるSFチックな小説。
フリークスがふんだんに登場するあたり、もう著者の覚悟も見えようという入魂の作だけど、それは「くだん」を登場させる前振りに過ぎない所が破天荒。
「くだん」と戦争は切っても切れない関係なんだね。

「延長コード」は、コードをドンドン繋ぎたしていくラストのシーンが、もうジンジンするくらい秀逸。
たこ足配線用ではないシンプルな延長コード、それを繋ぐところに父と娘の狂気的な人生が垣間見えるよう。

他の短編はいまいちピンとこなかったけど、この本を読んだ人は11の短編小説の少なくとも1編には、ゾゾゾッとする恐怖を味わうこと必須。
眠れぬ真夏の夜にどうぞ。

「くだん」といえは小松左京の「くだんのはは」。
「五色の舟」とちょっとかぶってるけど、恐い小説だったなぁ。
それにもまして恐いのが小松左京の「保護鳥」。
何回読んでも背筋が寒くなる、真夏の夜にぴったりなホラーだ。

◆関連記事◆
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件(くだん)/ウィキペディア
件(くだん)

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