だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 最近は新旧歴史時代小説やエンターテイメント、ライトノベルにも手を伸ばして節操のない状態に。趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

約束の方舟/瀬尾つかさ

◆読んだ本◆
・書名:約束の方舟
・著者:瀬尾つかさ
・定価:上720円 下720円
・出版社:ハヤカワ文庫
・発行日:2011/7/25

◆おすすめ度◆
・ジュブナイルSF小説/大人が読んでも面白い度:★★★★
・多世代恒星間航宙船内での冒険/若者たちの活躍度:★★★★
・天真爛漫なヒロインがいいそ!度:★★★★★

◆感想◆
多世代恒星間航宙船の内部に突如出現したゲル状の知性体「ベガー」に、多くの人間が捕食されるという「ベガー戦争」から15年。人間とベガーが和睦したとはいえ、多くの大人がベガーに敵対心を持つのに対し、若い子供たちはベ ガーに友情を感じながら共棲するようになっていた・・・

12歳の少年少女たちが18歳になるまでの、恒星間航宙船内を舞台にしたSF。
ベガーを忌み嫌う大人たちと、ベガーを友人のように感じる子供たちという世代間の対立を軸に、ベガーと人間の共棲社会を目指す子供たちの物語。

ジュブナイルなSFだけど、大人が読んでも十分楽しめる。
爽やかで甘酸っぱい系の成長物語で、カジシンファンには強力におすすめなSFだ。

 ベガーの正体は?
 辛い経験をした少年たちはどう生きるのか?
 誰が味方で誰が敵?

といった謎をはらみながら、友情や冒険、対立や煩悶を経験して成長して行く子供たち。
なんか、いいなあ青春って!みたいな。

さらに物語を強烈に印象づけているのが少女テル。
ベガーをこよなく愛し、天衣無縫でやんちゃだけど身体能力は抜群なお間抜けキャラ。
彼女の魅力が本書の魅力といってもいいくらい。
元気や勇気が湧いて出て、ちょっともの悲しく淋しげだけど、心温まり微笑ましい少女テル。

輝いてるねえ。
読後の余韻が「初恋の味、カルピスの味」みたいなテイストなのは、テルの印象がいいからだろうな。

約束の方舟 (上) (ハヤカワ文庫JA)

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宇宙服の絶対量が少なくなってしまい、真空の宇宙船内を冒険するにはベガーとシンク(人間が、ゲル状のベガーの中に入り込む)しなければならない。
もう究極の遭遇。第六種接近遭遇みたいな。(第五種接近遭遇は?)
だからこそ言葉が通じなくても分り合えちゃうベガーと人間。
ちょっとエロチックでさえある。

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