だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 最近は新旧歴史時代小説やエンターテイメント、ライトノベルにも手を伸ばして節操のない状態に。趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

邂逅の森/熊谷達也 マタギ小説の感想

◆読んだ本◆
・書名:邂逅の森
・著者:熊谷達也
・定価:832円
・出版社:文春文庫
・発行日:2006/12/1

◆おすすめ度◆
・マタギの波乱万丈な半生度:★★★★
・女性も豪胆度:★★★★
・圧巻のラスト度:★★★★

◆感想◆
秋田の寒村でマタギとして生きた男の半生。
マタギの話6割、女性や家族や鉱山の話4割といったところ。

マタギより性描写の方がリーダビリティが高いのがいささか憚かる(自分だけ?)が、マタギの生活が興味深い。
狩猟の厳しさや奥深さもさることながら、主人公と関わる女性たちも豪胆。
マタギに負けていない。それでいて女性らしい心遣いも。

ラストの死闘は物語を締めくくるにふさわしい内容。
圧巻です。

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邂逅の森/本の雑誌

テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

銀狼王/熊谷達也

◆読んだ本◆
・書名:銀狼王
・著者:熊谷達也
・定価:1,400円
・出版社:集英社
・発行日:2010/6/30

◆おすすめ度◆
・巨大狼とマタギの死闘度:★★★★
・人間あざ笑うかのような知恵を持つ狼度:★★★★
・妻子を亡くし愛犬「疾風」と猟をするマタギ度:★★★★

◆感想◆
アイヌの古老から、その銀色の毛並みを持つ巨大狼の話しを聴いた猟師の二瓶。自分の手で仕留めたいという思いを強く持った彼は、相棒のアイヌ犬を伴って山に入るが…

明治時代の北海道を舞台にした、マタギと巨大狼の死闘を描いた小説。
神と恐れられる巨大獣と人間の戦いを描いた小説はいっぱいあるが、本書もそのど真ん中に位置するような物語。

そろそろ体力の限界が見えだしたマタギの二瓶。
妻や娘を亡くし、相棒のアイヌ犬「疾風」を家族のように思っているという人物設定。さもありなん。
疾風も主人を良く理解し、熊にはめっぽう強気なくせに、狼にはからっきしというお茶目な設定がちょっとユニーク。

彼らが追うのは、北海道でも生息数が激減し久しく見られなくなった狼。
それも熊ほどの巨大さで、とてつもない知恵をもつという。
はたして二瓶は巨大狼を仕留めることができるのか?!

神ともいわれる巨大獣とマタギの戦いって、その設定だけで興奮してしまう。
期待が大きすぎると読んだ後ガッカリするけど、本書はそれでも面白く読めた。

著者の本は初めて読むのだけれど、略歴を見ると「相剋の森」「邂逅の森」「氷結の森」の「マタギ三部作」を著しているという。
なんだかすごそう。
登場人物が深く山に分け入るように、「マタギ」小説に深くのめり込んでいるのか?

銀狼王
銀狼王熊谷 達也


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マタギを主人公にした小説で一番なのは、西村寿行の「風は悽愴」。
まあ、初恋の女性がとても美しいのと同じように、初めての動物小説だったから心に残っているのかも。
それでも主人公の寡黙なマタギや狼の関係など、ググッとくるものがあったなあ。
(アマゾンのカスタマー評価は低すぎやしないか?)

風は悽愴 (徳間文庫)
風は悽愴 (徳間文庫)西村 寿行

おすすめ平均
stars狼ねぇ。

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