だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 最近は新旧歴史時代小説やエンターテイメント、ライトノベルにも手を伸ばして節操のない状態に。趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

月光とアムネジア/牧野修

◆読んだ本◆
・書 名:月光とアムネジア
・著 者:牧野修
・出版社:早川文庫
・定 価:600円
・発行日:2006/8/15

◆評価◆
・幻想と怪奇のサスペンス小説度:★★★★
・伝説の殺人者を追う元刑事の追跡劇度:★★★★
・愛と憎悪と記憶の混沌度:★★★

◆感想◆
突然発生する愚空間という特殊な場。この空間に入った者は、ほぼ3時間ごとにその間の記憶を失う。その自然災害「レーテ」に伝説の殺人者「町田月光夜」が侵入する。特務部は町田月光夜を追い、レーテに進行するが…

記憶をリセットし、かつ重篤な記憶傷害を引き起こす自然現象「レーテ」。この舞台が秀逸。これだけで半分は勝ったも同然。奇妙な世界を考えたものよ。

町田月光夜という、60年間誰にも姿を見られず年令も生別も知られていないという殺人者もミステリアスだが、その名前も怪奇。殺人者を追う特務部の面々も、アガタ原中県立軍兵でゆずす兵の鶴田潅木、レーテ性認知障害の学者溝呂木ムカゴ、オモイダシ使いの古沢ミチなどなど、いかにも怪奇と幻想っぽい登場人物満載で雰囲気は最高!

レーテ内に進行した特務部が町田月光夜を追跡する、というのが物語の骨子だが、登場人物にまけない悪夢のような事件や生物も出てきて、一瞬風変わりな冒険小説のような味わいも。

おまけに量子論的なウルトラCもあったりして、へんてこりんな小説が好きな人には、たまらない世界を堪能できる。
なんか夢に出てきそうだ。

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