だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 最近は新旧歴史時代小説やエンターテイメント、ライトノベルにも手を伸ばして節操のない状態に。趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

自転車少年記/竹内真

◆読んだ本◆
・書名:自転車少年記
・著者:竹内真
・出版社:新潮社
・定価:1,900円
・発行日:2004/5/25

◆評価◆
・自転車にかける青春度:★★★
・輝き続ける人生度:★★★
・読んだ後自転車に乗りたくなる度:★★★★★

◆ひとこと◆
4才の昇平は、はじめて自転車に一人で乗れたことに興奮し、前に進むことしか頭になかった。吸い込まれるように下り坂に突っ込んでいった昇平は、坂道を下り切った所にある家の生け垣に衝突する。
幼い昇平は、生け垣を飛び越え、庭の芝生に投げ出される。そこにはひょろりとした男の子草太と、きれいな奏という女の子が…

昇平と草太と奏を中心に、彼等の幼い頃から30才を過ぎるまでを綴った青春記。
恋愛、自転車レース、進学、就職と、人生でもっとも輝き、目まぐるしく変化していく時代を、瑞々しく描いている。
活発であけっぴろげな昇平と、努力家にして賢い草太。二人の描き分けもうまいし、奏という美しい女性をめぐる2人の心理描写もいい。
自転車レースやサイクリングを通して、多くの人達と友情を深める様や、学校対抗のロードレースの手に汗握る描写もうまい!
些か駆け足で物語は展開するが、ポイントを押さえた展開は、読者を飽きさせない。
今まさに青春を謳歌している読者には、共感の一冊。
かつて青春時代を経験したおやじも、熱き心を取り戻せるかも。

でもでも、人生の良いとこばかりをピックアップしたようで。すべてのシーンが輝き過ぎていると感じるのは、ひねくれた考え?
なぜか失恋や挫折までもが、ステップアップのための輝かしい勲章のように描かれていて、前向きな主人公達が、作り物に見えてくる。(まあ、作り物なんだけど)。
そこが100%感情移入できなかったところかな。


自転車少年記
自転車少年記竹内 真

おすすめ平均
stars少年が大人になるまでの記録。
starsよし、明日も自転車に乗ろう!
stars自力で前に進む
stars好きなもので培った絆は強い
stars駆け抜けたのは、今日へ続く道

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竹内真の「真夏の島の夢」を読もうと、しばらく本屋を探していたのだが、新刊本が書店から消えるのは早く、とうとう読めなかった。
そんな折りに見つけたのが「自転車少年記」。著者の「カレーライフ」を読んだ後、無性にカレーが食べたくなったが、「自転車少年記」を読んだ後は、無性に自転車が乗りたくなった。
ためらわずに自転車に乗り、近くのタバコ屋に走る。夜風が気持ちよく、煙草の味も、なぜかせつない。
まあ、自転車少年記の若者が走った数百キロという距離に比べれば、1/1000くらいだけど。おじさんになると、これでもけっこうハアハアしていたりする。

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