だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 最近は新旧歴史時代小説やエンターテイメント、ライトノベルにも手を伸ばして節操のない状態に。趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

星を創る者たち/谷甲州

◆読んだ本◆
・書名:星を創る者たち
・著者:谷甲州
・定価:1,700円
・出版社:河出書房新社
・発行日:2013/9/30

◆おすすめ度◆
・宇宙土木SF小説度:★★★★
・エンジニア魂度:★★★★
・驚愕のラスト度:★★★

◆感想◆
太陽系の惑星で大規模な地下鉄やドームなどを製作する、現場のエンジニアたちを主人公にした宇宙土木SF連作短編小説。

月の地下交通トンネル工事、火星の与圧ドーム建設、水星の射出軌条建設予定地で起きる事故など、月、火星、水星、木星、土星、そして太陽をも舞台にして起きる工事現場での事故や不測の事態。これに対応するエンジニア達の懸命な姿。

いいですね、こういう現場のエンジニア達の活躍。

巻頭作の「コペルニクス隧道」を読んだときには「土木現場や圧送システムをよく調べているなあ」と関心至極。
後半にはいってだんだん政治的な駆け引きなんかも描写されるようになったり、いまいち登場人物に感情移入できない流れがあったりして「それはどうかな」と思いつつも、ラストの表題作「星を創る者たち」の大風呂敷にも驚愕。

土木関係の仕事に就いているSFファンは必読です。

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日本沈没 第二部/小松左京/谷甲州

◆読んだ本◆
・書 名:日本沈没 第二部
・著 者:小松左京,谷甲州
・出版社:小学館
・定 価:1,800円
・発行日:2006/8/1
     
◆評価◆
・パニック小説度:
・国土をなくした日本の行方度:
・ナショナリズムからコスモポリタニズムへ度:★★

◆感想◆
「異変」から25年、世界各地に移住した日本人は帰るべき国を持たない難民となっていた。帰属意識が希薄になる国民に危機感を持った首相の中田は…

小松左京の名に期待して読みはじめたのだが、どうも勝手が違うし、だいたいSFの雰囲気がしない。
異常気象や「異変」(日本沈没のことね)のシミュレーションと、それっぽい描写はあるのだが、政治や経済、移住先での苦難などにも描写はおよび、いまいちまとまりが無い。

あとがきに、小松左京が考えたテーマと構想を、著者をはじめとするプロジェクトチームで完成させたような記述が。
このへんがつまらない理由か。
みんなでやるのはいいけど、その分特徴のない小説になってしまうのかもね。

読んでいて興奮したのは、地球シミュレーターのリアルな描写と、首相と外相の論戦。
でも首相と外相の憂国の論戦も、「君が代」が落ちとは!
気持ちは分かるが、これを読者に納得させるには描写が足りなすぎるよ~。

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