だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 最近は新旧歴史時代小説やエンターテイメント、ライトノベルにも手を伸ばして節操のない状態に。趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

エス/鈴木光司

◆読んだ本◆
・書名:エス
・著者:鈴木光司
・定価:1,500円
・出版社:角川書店
・発行日:2012/5/15

◆おすすめ度◆
・「リング」みたいなホラー小説度:★★★★
・「らせん」みたいなサスペンス小説度:★★★
・「ループ」みたいなSF小説度:★★
・シリーズの続編度/納得の結末度:

◆感想◆
自殺の模様をネットで公開したという動画ファイル。映像制作会社に勤める安藤は、社長の米田から動画の分析を依頼されるが…

前半のホラーな展開は、まるで「リング」の続編みたいで、目新しさこそ無いもののけっこう面白く読んでいたけど、後半になると、なんだか「リング」と「らせん」と「ループ」が混在した展開に。
リング3部作をリミックスして1冊にしたような感じ。

リング3部作はホラーな「リング」はじまり、サスペンスな「らせん」、SFな「ループ」へと続き、読み進むと「何っ!」な掟破りとも取れる大胆な展開にビックリ仰天なんだけれど、それを1冊にリミックスしたような本書には、無理が見え隠れするような。

帯には「映画『貞子3D』原作」の文字が強調されているし、そうゆう大人の事情もあっての「エス」なのかも?
本書をいきなり読むより、「リング」「らせん」「ループ」を順番に読む方が3倍は面白いと思う。

小説の「リング」はとっても面白怖いホラー小説だったけど、映画の「リング」もテレビから出てくるシーンはのけ反るほど怖かったなあ。
映画「キャリー」のラストに匹敵するくらいののけ反り度だ。

◆関連記事◆
鈴木光司『エス』(角川書店) を読む/ポケモン的なるブログ
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テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

ドロップ/鈴木光司

◆読んだ本◆
・書名:ドロップ
・著者:鈴木光司
・定価:200円
・製造元:林製紙株式会社
・発売日:2009/6/6
・品質:114mm×2枚重ね30m

◆おすすめ度◆
・前代未聞のトイレットペーパー本度:★★★★★
・シチュエーションによっては超恐い度:★★★★
・お尻も拭ける度:★★★

◆感想◆
何が驚きかってトイレットペーパーなんである。
それにホラー小説が印刷されているんである。

けったいなものを考えたのう。

文字数は2,000字という超短編小説で、トイレで用を足す間に読めてしまう長さ。
これが延々繰り返し印刷されているんである。
中身が変なら包装紙も凝った造りで、「ドロップ発表会」の写真はちょっとおののく恐さ。


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鈴木光司「ドロップ」発表会/yuichiro design


いそいそと読みはじめると、さすがリングの著者だけあって、短いながらもインパクトのあるホラー。
夜中の淋しい公衆便所で便器に腰掛けながら読んだら、小便ちびるの間違いなし。トイレだからちびっても大丈夫だし。

おまけに用を足した後、お尻も拭ける素晴らしさ。
なんか印刷した紙でお尻を拭くのは、踏み絵みたいな精神的抵抗があるけど。


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ドロップ/鈴木光司


トイレットペーパー本なんて前代未聞と思ったが、これがそこそこ売ってるから驚く。
用を足してるとき壁ばっかり睨みつけるのはなにだから、トイレットペーパーの文字とか絵を眺めてもらおうという戦略か。




◆他サイトの感想とか◆
トイレットペーパーに記された怖~い話 鈴木光司氏の短編『ドロップ』/asahi.com
関心空間
ビズカレッジ ただ今修行中!

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エッジ/鈴木光司

◆読んだ本◆
・書 名:エッジ
・著 者:鈴木光司
・出版社:角川書店
・定 価:上1,600円 下1,600円
・発行日:2008/12/19

◆評価◆
・人類滅亡型SF?度:
・輪廻転生型ホラー?度:
・探偵型ミステリー?度:
・愛のファンタジー?度:

◆感想◆
冴子の父親は18年前に失踪し、いまだ行方不明。気持ちの多くを父への思慕と捜索に充てながらも、ライターとして頑張ろうとしている彼女に舞い込んだ仕事は、藤村一家失踪事件のルポであった・・・

ウーム、これはちょっといただけないなあ。
正直な感想を一言でいうと「なんだこれ?」

世界各地で人が失踪するという事件を発端に、物語が展開していくんだが、起承転結の「起」の部分はOK。
ちょっとホラーっぽい所も、「リング」3部作の著者らしくて、先の展開を期待させる出だし。

でも「承」になって「??」
「転」では「あらま」
「結」では「酔っぱらって書いてるのか?」

こうゆうのは編集者とかが、作家と打ち合わせなり何なりをして、内容や文章を見直してから出版するべきものなんじゃないのかしらん。
そこここに瑕疵が見受けられ、内容もブレまくり。

それよりも著者のことが心配になってくる。
著者は、「リング」「らせん」「ループ」という面白くて話題になり売れた作家、というお荷物を背負って、精神的に苦労したんじゃないか。
自分の才能とかにも疑問を感じ、幾度となく物書き家業を辞めようとし、しかし周囲の励ましとかに支えられて、ようやく本書「エッジ」を上梓。
ところが本書の出来が・・・

と、いらぬ心配までしてしまう本なのであった。


yun_1634.jpg
カリフォルニア州


そうはいっても、部分的には光る文章もあったりする「エッジ」
SFっぽい書き方するから瑕疵が目立つのであって、ファンタジーかホラーとして読めば、納得できるのかな?

そういえば井上夢人の「メドゥサ、鏡をごらん」を読んだ時も、はじめは「これはスゴイミステリーだ! 傑作になるんじゃないか!!」と思ったが、読み終わった時は本を投げつけたくなった記憶が。

あんまりジャンルを決め打ちして読むと、良い事はないのかもね。
でもSFっぽいこと書くんだもん、しょうがねいよね。



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◆他サイトの感想◆
面白く読んだ方も多いみたいで、良かった良かった。
ラッシュライフ
たまの独り言
ふるちんの「頭の中は魑魅魍魎」


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