だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 最近は新旧歴史時代小説やエンターテイメント、ライトノベルにも手を伸ばして節操のない状態に。趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

銀齢の果て/筒井康隆

◆読んだ本◆
・書 名:銀齢の果て
・著 者:筒井康隆
・出版社:新潮社
・定 価:1,500円
・発行日:2006/1/20

◆評価◆
・老人達のバトル・ロイヤル度:★★★
・国家的差別の構図と逆差別度:★★★
・随所に見られる「毒」度:★★★★

◆感想◆
宮脇町5丁目に住む宇谷九一郎77歳は、同じ町内に住む囲碁友達の正宗忠蔵78才に向かい、ゆっくりと懐からワルサーを取り出す。「覚悟、できてるかい」

爆発的に増大した老人人口を調節するため、国家主導で実施される老人相互処刑制度。町内に住む70才以上の老人達が、互いに殺しあうというトンデモ設定のブラック小説。

老人同士を殺させるという反社会的反人間的設定に加え、殺害シーンや断末魔の人間の醜い情動などが、著者らしいブラック&シニカルな文章で描かれる。
カットバック的な描写や、「老人」を代表とする差別に関する記述など、印象的なところも多いが、なんといっても文章から溢れるパワーがすごい。
70才を過ぎ、これだけのとんでもない小説を書く著者に驚く。

しかしこの感想こそ、著者がもっとも嫌うものかも。
老人だからといってバカにしちゃいけないし、過保護にしてもいけない。
また手厚く看護されることを当たり前のように感じてはいけないと、70才をこえた著者は思っているのだろう。

年寄りだと思ってバカにスンナよ! みたいな。

銀齢の果て/筒井康隆の表紙
 

テーマ:感想,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:本・雑誌,本,感想,ミステリー

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