だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 最近は新旧歴史時代小説やエンターテイメント、ライトノベルにも手を伸ばして節操のない状態に。趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

ストリンガーの沈黙/林譲治

◆読んだ本◆
・書 名:ストリンガーの沈黙
・著 者:林譲治
・出版社:早川書房
・定 価:1,700円
・発行日:2005/11/15

◆評価◆
・ファーストコンタクトものSF度:★★★
・地球人と、ネットワーク接続された人との確執度:★★★
・ディテールの描写がハードSF度:★★★★★

◆感想◆
太陽系住民の主要エネルギー源であるAAD(天王星軌道に構築された人工降着円盤)。そのシステムに異常が発生し、エネルギーシステム全体が崩壊しかねない事態となっていた。一方太陽系辺境の観測船では、未知の知性体「ストリンガー」と交信を行おうとしていたが…

ブラックホールを利用したエネルギー発生装置AAD。その制御に異常が起き、AADが崩壊しようとしている! 超やばい状態。
これを改修すべく現地に赴いたアグネスは…
というのが一つのストーリー。
前作「ウロボロスの波動」から繋がる内容だが、前作を読んでなくても大丈夫。
ネットワーク上に棲みついた知性化エージェント(ウイルスみたいなやつね)とか、実存的AIとかのモチーフを操り、AADの異常振動を解決して行くくだりは、思索的。

並行して描かれる二つめのストーリーは、異生とのコンタクト。
辺境の観測ステーションのデータから、有意な重力波が発見される。「コズミックストリングを利用した人類以外の何者かが、太陽系に接近している」という、なんなんだそれは! というかこれは日本語なのか! というあたりがSF好きにはたまらない。
クラーク「宇宙のランデヴー」を思い出させるような前半の展開だが、結末は大違い。

さらに三つめのストーリーが、地球人とよばれる旧来からの文化を堅持する人々と、AADDという体内に情報処理装置を埋込んだ人達との、いざこざ。
宇宙間での戦闘シーンみたいのもあったりする。
でも、なんだかやけに地球人がバカに描かれている。伏線としてももう少し書きようがあったじゃないのか。

この三つのストーリーが並行しからみ合いアクロバティックに展開するが、一番の特徴は、細部のハードSF的描写。前作同様、ガチガチのハードSF的亀甲縛りで読者をかんじがらめに。
技術系SFファンには、お勧め!

テーマ:感想,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:本・雑誌,本,感想,ミステリー

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