だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 最近は新旧歴史時代小説やエンターテイメント、ライトノベルにも手を伸ばして節操のない状態に。趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

老ヴォールの惑星/小川一水

◆読んだ本◆
・書 名:老ヴォールの惑星
・著 者:小川一水
・出版社:早川文庫
・定 価:720円
・発行日:2005/8/15

◆評価◆
・ハードSF短編集度:★★★
・異世界や知的生命体との接触&人間模様度:★★★
・「漂った男」がすごい!度:★★★★★

◆感想◆
昨年のベストSF3位に選ばれた著者の「復活の地」。100ページくらいで挫折した記憶も新しいのだが、「本の雑誌」で取り上げられていたのと、他にこれといって食指の動く本がなかったので読んでみることに。

地底の迷路のような洞窟に投獄された人達の物語や、ある惑星に棲む知性体の脱出?劇や、バーチャルリアリティをベースにした知性体とのコンタクト小説と、バラエティーに富んだ短編集。
読者を惹き付ける力はあるものの、どっかで読んだことあるような無いような印象が…

ところが、「漂った男」を読んでおったまげ!
これはなかなかすごいぞ。

一面を海に覆われた無人の惑星に、偵察機が墜落。脱出したパイロットが海上をひとり漂流しながら、無線機だけを頼りに救助を待つという短編だが、これがうまい。

長時間の漂流により自分が狂ってしまうのではないかという恐怖感、愛する妻とのせつない会話、救難隊の担当者との親密な交信。
ユーモアにからめて描かれるシリアスな描写と、この先どうなるのか興味を抱かせ予断を許さない展開は、読みごたえ十分。
設定はSFだけど、内容は一人の男の極限状態を描き出した鬼気迫るドラマ。

そこらの半端な恋愛小説より、この「漂った男」一編の方が断然面白い!

テーマ:感想,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:本・雑誌,本,感想,ミステリー

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