だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 最近は新旧歴史時代小説やエンターテイメント、ライトノベルにも手を伸ばして節操のない状態に。趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

サウスバウンド/奥田英朗

◆読んだ本◆
・書 名:サウスバウンド
・著 者:奥田英朗
・出版社:角川書店
・定 価:1,700円
・発行日:2005/6/30

◆評価◆
・二郎(12才)の苦悩度:★★★★★
・小学生から見た大人の不可解な世界度:★★★★
・父一郎の破天荒&ヒーローぶり度:★★★★★

◆感想◆
元過激派の父を持つ上原一郎。型破りでめちゃくちゃな父親を疎ましく思いながらも、それなりに小学校生活を楽しんでいた。しかし、不良中学生から因縁をつけられ窮地に…

何が面白いって、元過激派でがたいのデカい豪放磊落な父一郎が最高!
年金不払の督促にくる市職員に対し、「国民年金など払わん」「論拠を示せ」と啖呵をきるし、かつての革命同志を持ち上げてぶん投げる様は等身大のヒーロー像そのまま。
いかしてる。

物語は息子二郎の視点から語られ、前半は二郎の小学校での友人関係や姉の意味ありげな所作、父母の語られぬ過去、などなど思春期らしいいろんな悩みごとが描かれる。
大人もいろいろ大変だけど、子供には子供なりの社会や人間関係があって神経使っちゃうのねー。
自分の記憶はあやふやだけど、むかしはこんな風な大人びた悩みは無かったような…
二郎の姉も母親も、上原一家全員がなんか重い石の下で苦しんでいるような、少々凹みぎみの展開。

ところがこれが大きな伏線のように働き、後半の開放的で笑えてスカットして心暖まる物語に繋がる。

うまい!
一郎かっこいいぜ!
妻さくらも姉洋子もステキ!

子供にとってこうあるべきだという新たな父親像を描き出した著者に拍手。
ま、自分の父親がこうだったらはなはだ迷惑ではあるが。
団塊の世代には、読んで忸怩たる思いを感じるむきもあるかと。

サウスバウンド/奥田英朗の表紙
 

テーマ:感想,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:本・雑誌,本,感想,ミステリー

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