だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 最近は新旧歴史時代小説やエンターテイメント、ライトノベルにも手を伸ばして節操のない状態に。趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

きのうの世界/恩田陸

◆読んだ本◆
・書 名:きのうの世界
・著 者:恩田陸
・出版社:講談社
・定 価:1,700円
・発行日:2008/9/4

◆評価◆
・ミステリアスファンタジーホラー小説度:★★★★
・町に建つ3つの塔の由来度:★★★★
・網の目のように張り巡らせた水路の不思議度:★★★★

◆感想◆
東京で働いていた市川吾郎が、ある晩上司の送別会の席から忽然と姿を消す。その1年後、遠く離れたM町で市川吾郎が発見されるが・・・

恩田テイストをフルに満喫できる小説。

いったい市川吾郎は何故姿を消したのか?
蒸発してから彼が死ぬまでの約1年間、M町で何をしていた?
M町の「塔」と「水路」には、何の目的が?

事件に関わりのあるM町の人々ごとに章立てされ、時間軸も過去と現在が入れ子構造のように組み立てられている。
謎を読者に与えながら、それを登場人物達が解き明かしつつ、さらに謎が深まるように物語は展開。 いったいどうなるんだ?で、読み出すと止まらなくなる!

おまけに日本の田舎でありながら、エキゾチックな雰囲気のただよう町。どこか超自然的なものを感じさせる文章。
著者らしい不思議なファンタジー世界だ。

ラストは読者により賛否両論ありそう。

前は著者の小説の結末に、推理小説の大団円みたいなスカッとした明快さがないことが多いことに不満を抱いた事もあったが、たぶん著者はそういった結末にしようという意図がないんじゃないか?
まったく無いことはないだろうが、それよりもどこか不安定でミステリアスて不思議な物語世界を造りあげるところに主眼を置いているんじゃないか。

そういう意味では、本書は恩田陸テイスト満載。
いつまでもこのファンタジックでミステリアスな物語にはまっていたいと思う。
極端な話し、終わりはなくてもいいぞ。


ビールケース
「きのうの世界」に掲載されている写真とは関係ないけど、なんかこんな感じ。


「きのうの世界」には、所々に白黒写真が掲載されている。
ビールケースが山のように積んでる写真だったり、道路に書かれた矢印マークだったりと、関係あるようでないような、深い意味があるようでないような。
こんなところも、不思議感アップだ。


きのうの世界/恩田陸の表紙
 

◆他のサイトの感想◆
みすじゃん。
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テーマ:感想,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:本・雑誌,本,感想,ミステリー

コメント

はじめまして。
記事をとりあげていただいてありがとうございます。

なんか久々に恩田作品で結末らしい結末読んだ気がします(笑
たまにはちゃんと結末がある恩田作品も良いですね~

  • 2008/09/24(水) 09:34:15 |
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  • おんもらき #-
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