だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 最近は新旧歴史時代小説やエンターテイメント、ライトノベルにも手を伸ばして節操のない状態に。趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

ブルー・ローズ/馳星周

◆読んだ本◆
・書 名:ブルー・ローズ
・著 者:馳星周
・出版社:中央公論新社
・定 価:上1,500円 下1,500円
・発行日:2006/9/25

◆評価◆
・犯罪小説度:★★
・堕ちて行く男度:★★★
・静から動へ/精神愛から欲望へ/相反する感情度:★★★★

◆感想◆
弁護士事務所の調査員徳永は、刑事時代の上司から娘の失踪調査を依頼される。
青いバラを作ることが夢だったという彼女の行方を調査するうち…

出だしはなんだか在り来たりの展開と雰囲気で、著者らしいパワーが無い。展開や人物描写も平板だ。
なんだか変だなあ、と思いながら後半に突入すると、徐々に動的そしてダークパワー炸裂!といった展開に。

物語が静から動へ、生から死へ、愛情から苦痛へと変化する様子は、少々書き方がガサツだが読ませる力はある。

でも考えてしまうのは、前作「走ろうぜ、マージ」から伺える著者の気持ち。
本書を書いている時期には、小説なんか書いている余裕は無かったのではないかと。

主人公の徳永が、精神的に脆いところのある女性に父性愛とも言えるような哀れみに似た感情を覚えたり、前半の展開に比べ後半が無謀なほど暴力的だったりするのは、著者の愛犬マージとの関係に由来する代償行為のようで、痛々しい。

勘ぐり過ぎかもしれないが、物語の描写や展開と主人公の厭世的な行為や内在する生(性)への欲求に、著者の自傷的な思いを感じてしまう。

テーマ:感想,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:本・雑誌,本,感想,ミステリー

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