だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 最近は新旧歴史時代小説やエンターテイメント、ライトノベルにも手を伸ばして節操のない状態に。趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

英雄の書/宮部みゆき

◆読んだ本◆
・書 名:英雄の書
・著 者:宮部みゆき
・出版社:毎日新聞社
・定 価:上1,600円 下1,600円
・発行日:2009/2/15

◆おすすめ度◆
・冒険ファンタジー小説度:★★★
・兄を救おうとする少女の物語度:★★★
・明と暗/正しきものと悪しきもの/すべてには裏と表が度:★★

◆感想◆
友理子は授業中に先生から呼ばれ家に帰るよう言われる。急な呼び出しに不安を募らせる友理子は、中学生の兄が、学校で事件を起こし行方不明になっていると知らされ・・・

出だしのつかみは素晴らしく、さすが宮部みゆき!
と思ったが、読み進めていくうち、どうやら読者層は主人公の友理子と同じ小学生高学年。
おじさんにはやや辛い展開だ。
それでもおじさんに最後まで読ませる筆力は、素晴らしい。

事件を起こした兄を助けようと、異世界に踏み込んだ友理子の、恐怖と愛と勇気の物語。
「ブレイブストーリー」や「ICO」みたいなファンタジックな展開で、「おそろし」のような人の心に棲む悪しきモノをテーマにしてる。
登場するファンタジックなアイテム、アニメっぽい登場人物、幼いけれど勝ち気な友理子の性格など、やっぱり小学生向きかな。
造本もしっかりして、小学校の図書室に備えるのが似合っている本かも。

おじさん向きではないけれど、子供たちがちょっと背伸びして読むには、ハラハラドキドキの手に汗握るファンタジー冒険小説。



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本書で印象深かったのは、小説のもつ力についての著者の畏れ。
物語の作者としての責任というか、作者の意図しない影響力をも小説が持っていることに、著者が神経質なまで注意を払っているように見える。

なんかイヤな事でもあったのか?

多くの人に小説が読まれるほど影響力は強くなり、著者の思いとは違う感想を抱く人も多くなるもの。
ま、小説だろうとなんだろうと、発言した人の意図とは逆に悪意をもって捉えられることはままあるし、また小説をどう読もうと読者の勝手だし。
あんまり考えすぎると小説を書く意欲がなえてしまうぞ。
(深読みし過ぎか?)

政治かなんかは自分の発言の影響力を考慮して、慎重になるべきだろうがね。


英雄の書(上)
英雄の書(上)
posted with amazlet at 17.10.22
宮部 みゆき
毎日新聞出版 (2009-02-10)

英雄の書(下)
英雄の書(下)
posted with amazlet at 17.10.22
宮部 みゆき
毎日新聞出版 (2009-02-10)

◆他サイトの感想◆
ミユウのいろいろ日記
宮部みゆきのファンタジー『英雄の書』/All About

テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

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