だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 最近は新旧歴史時代小説やエンターテイメント、ライトノベルにも手を伸ばして節操のない状態に。趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

Q&A/恩田陸

◆読んだ本◆
・書名:Q&A
・著者:恩田陸
・出版社:幻冬舎
・定価:1,700円
・発行日:2004/6/10

◆評価◆
・恩田流「藪の中」度:★★★★
・それぞれの真実と負のパワー度:★★★
・鳥肌モノの描写度:★★★★

◆ひとこと◆
郊外の巨大ショッピングセンターで事件が発生。火災?毒ガス? 何が起きたのか分からぬまま、情報が錯綜しパニックが起き、多くの犠牲者が。
その事件から数カ月後、当事者たちに聞き取り調査が行われた。
「それでは、これからあなたに幾つかの質問をします」
新聞記者の笠原は、その事件について見聞きしたことを、質問に答える形で語りはじめた…

質問者と、それに答える事件の当事者たち。物語は、当事者が語る体験談で構成される。
しかし事件の真相はなかなか見えてこない。そればかりか、当事者が抱えている非日常的な、そしてマイナスの感情が吐露される。あたかも事件は、それぞれの登場人物が抱えているマイナスの感情が起こしたかのようにさえ思えてくる。

事件を取材した新聞記者や、不審者を目撃した主婦、死の臭いを嗅いだという老人など、前半はシリアスでダークなホラータッチのドラマ。
その奇妙で非日常的な事件現場の雰囲気や、不安定な精神をひきずる当事者がなにげなく語るシーンに、鳥肌立ちまくり。
さすが恩田陸。構成もうまいが、独特の雰囲気をかもし出すテクニックは素晴しい。
特に蝉を食べる夢のシーンは秀逸。

後半もその雰囲気は維持しているものの、ややトーンダウン。ややね。ちょっとだけってことで。
前半とは微妙に構成が変化しており、そこがいまいち頷けなかった。
逆にいえば、半分で終わらせても良かったのにと。
しかし、ある意味実験的な手法なのに、著者の持ち味を発揮できるということには、ベテランの力量と貫禄さえ伺える。

帯の絵も力が入っている。逃げまどう人々の見開かれた眼が異様だし、白い巨大なビルが、色んなものの負の象徴のようで、おとろしい。
つるかめつるかめ。


Q&A
Q&A恩田 陸

おすすめ平均
stars斬新ではないが…
starsこの読後感も計算の内……
stars電車人の唯物論
stars本当に起き得る怖い話
starsそれでは質問を始めます

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テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

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