だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 最近は新旧歴史時代小説やエンターテイメント、ライトノベルにも手を伸ばして節操のない状態に。趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

弩/下川博

◆読んだ本◆
・書名:
・著者:下川博
・定価:1,700円
・出版社:小学館
・発行日:2009/5/16

◆おすすめ度◆
・南北朝時代の農民活劇小説度:★★★★
・商う工夫と生きる工夫度:★★★
・村のために戦う人たち度:★★★★

◆感想◆
南北朝時代の、農民を主人公にしたたくましい百姓たちの物語。

主人公は山村の寂れた村で生まれ、なんとか裕福な商人になりたいと願う吾輔。
剛胆で目端のきく吾輔は、売る方も「お金を得て」得をし、買った方も「いいものを買った」と思って得をする商人に憧れる。
つてをたよりに豪商の元へ赴き、なんとか商いをさせて欲しいと頼み込むが・・・というのが前半の展開。
吾輔の住む因幡の村に管理者として赴任してくる若増や、楠木正成の部下との邂逅など、ユニークな人物が脇役として登場。
人を見ているだけでもけっこう面白い。

だが、物語のメインは後半に用意された武士と農民の戦い。

帯には『黒澤明監督「七人の侍」から55年―――。こんどは、百姓が武器を取った!』とあるように、自分たちの村を守るために立ち上がった百姓と、貢を強奪しようとする悪辣武士との戦いが描かれる。

これがけっこう迫力有り。さすがに「七人の侍」には及ばないが、様々な戦略を練った上で武士たちと戦うシーンや、そこで見えてくる人物像がうまく書かれてる。

なかなかこの著者は、人を書くのが上手だ。
歴史物はほとんど読まないんだが、時代背景とかの予備知識はなくても楽しめるぞ。


連弩
連弩/ウィキペディア


表題にもなっている「弩」とは、クロスボーのような武器。
これで矢を射ると鎧兜もあっけなく貫通するという破壊力の武器だ。
弓等と違って扱いやすく命中率も高い。
けど、連射性能が劣り、「道」を追求する武士には向かないため廃れたとのこと。

なるほどね。
日本人はむかしから難しいことにチャレンジして、それを精神世界まで高めることが趣味だったようだ。


弩 (講談社文庫)
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下川 博
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◆他サイトの感想◆
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いつも読書人


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