だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 最近は新旧歴史時代小説やエンターテイメント、ライトノベルにも手を伸ばして節操のない状態に。趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

空飛ぶ広報室/有川浩

◆読んだ本◆
・書名:空飛ぶ広報室
・著者:有川浩
・定価:1,600円
・出版社:幻冬社
・発行日:2012/7/25

◆おすすめ度◆
・航空自衛隊広報室のお仕事小説度:★★★
・すばらしきかな、自衛隊度:★★
・奮闘し、頑張り、落ち込み、恋する自衛隊員度:★★★★

◆感想◆
戦闘機パイロットの空井大祐が、不慮の事故で広報室へと転勤となる。不慣れな職場で、先輩たちやマスコミの取材などでもまれながら、次第に仕事への愛着と意義を見いだしていく…

航空自衛隊の広報部を舞台にしたお仕事小説。
あまり知られない広報室の仕事をつまびらかにし、さらに著者らしいユニークで魅力的なキャラクターを生き生きと描いていく小説。

さすがに有川浩、上手です。
悔しかったり悲しかったり、忸怩たる思いだったりほのかな恋心だったりの登場人物たちの気持ちを、さらっと爽やかに描いている。

さらに一種の自衛隊プロパガンダ小説にもなっているところがユニーク。
あまり知られてない仕事の内容をモデルにするというのは、「県庁おもてなし課」と似ているが、舞台が自衛隊ということで著者も相当気持ちを入れてるよう。
自衛隊アレルギーの人が読んで、どれだけ自衛隊に親近感を持つようになるかがテーマともとれる。

テレビ番組の取材スタッフにして自衛隊大嫌いな女性から「戦闘機って人殺しのための機械でしょう?」なんていわれて、主人公が怒り心頭なシーンがある。
そう思っている読者だっていっぱいいると思うが、本書を読み終わったときどれだけ自衛隊(自衛隊員)への見方が変わるかどうがが注目点。

沢村凜の「リフレイン」を読んだ直後ということもあって、なかなか安易に頷けないというか。
いくら専守防衛といったって、敵が攻めてくれば戦闘機で迎撃することもあるだろうし、そうすれば当然戦闘機は「人殺しのための機械」に成り下がってしまう、ということを忘れてはいけないのだろう。
自衛隊員がすばらしい人だからといって、自衛隊がすばらしいということにはならないよなあ。

要は使い方の問題?
そんなことまで考える必要ない?

「空飛ぶ広報室」というそのまんまのタイトルの航空自衛隊のサイトがあって、本書のタイトルをサイト名にしちゃったことが軽いノリで書かれたりしてて。
いろいろ苦労しているのねって感じです。

◆関連記事◆
有川浩 『空飛ぶ広報室』/AKASHIC NOTE
【空飛ぶ広報室】航空自衛隊の中の人/学ぶために何を読む?
空飛ぶ広報室/[JASDF] 航空自衛隊
県庁おもてなし課/有川浩/サイト内
リフレイン/沢村凜/サイト内

テーマ:読書感想文,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:小説・文学,本,感想,ミステリー

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