だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 最近は新旧歴史時代小説やエンターテイメント、ライトノベルにも手を伸ばして節操のない状態に。趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

追伸/真保裕一

◆読んだ本◆
・書 名:追伸
・著 者:真保裕一
・出版社:文芸春秋
・定 価:1,429円
・発行日:2007/9/15

◆評価◆
・世代を超える女性の因果度:★★★
・恋文度:★★★★★
・良い人度:★★★

◆感想◆
ギリシャに単身赴任中の夫に、妻から手紙がくる。そこには悩んだ末、離婚の決意をした妻の心情が吐露されていた…

妻と夫の間で交わされた、手紙の文面だけで物語が展開するという構成。始めは「こんなに筆まめな夫婦なんて、明治時代じゃあるまいし、いないよなぁ」と感じながら読み進む。なんだか手紙の内容も陳腐だし。
でも中盤の、妻の祖父母の物語り(これも手紙文で構成)に繋げるには、これしかないのかと、やや納得。

メインは、この妻の祖父母の物語り。
殺人の容疑で逮捕されながら、頑に口を噤んでいる祖母春子と、彼女の無実を信じ懸命に真相を探ろうとする祖父誠治の姿が、互いの手紙文で語られる。

しだいに明らかになる事実と、それに伴って現われる二人の思い。
この辺が本書のキモとなる所だ。

春子の、美しく夫や子供のことを想う気持ちと、それに相反する刹那的行動。
不幸な過去がその背景とはなっているが、手紙の文面から伺える春子の性格とは相容れないものが。

でもしかし、春子と誠治の、互いに思いやる気持ちはヒシヒシと伝わり、気持ちを揺さぶられるシーンも。
こんだけのハートを持っていてなお、ささいな悪戯心が最悪の事態を招くようなことになるのは、とても悲劇的だ。

なんか納得できない。
誰かをもっと悪いやつにしてくれ。

追伸/真保裕一の表紙
 

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