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2018/12/10

昨日がなければ明日もない/宮部みゆき ミステリー小説の感想

◆読んだ本◆
・書名:昨日がなければ明日もない
・著者:宮部みゆき
・初版出版社:文藝春秋
・初版発行日:2018/11/30

◆おすすめ度◆
・ちょっと暗めのミステリー度:★★★★
・困ったちゃんが強烈(特に表題作)度:★★★★★
・ページを捲る手が止まらない面白さ度:★★★★★

◆感想◆
杉村三郎シリーズ第5弾の本書は、困ったちゃんを相手に探偵の杉村三郎が奮闘する中編3編。
このシリーズの特徴は、なんといってもその暗さ。
ほっこりするシーンもあるんだけど、全体を通して重苦しい雰囲気が。
本書の3編も同様で、読んでいてハッピーな気分にはなれない。

それなのに!ページを捲る手が止まらない面白さ。
びっくりするような、あるいは奇をてらったような展開もないのに、グイグイ読まされる。
宮部みゆきは天才です。
人物描写も相変わらず素晴らしい。


本の間に挟んであった冊子「杉村三郎シリーズガイド」に、『杉村が探偵になるまでには最低、長編二作が必要だと思っていましたが、まさか三巻目が文庫で上下巻になるとは…』とのインタビュー記事が。

刊行されているシリーズは『誰か Somebody』『名もなき毒』『ペテロの葬列』の長編3作と、主人公が探偵として活躍する短編集『希望荘』の1作。
ということは、『誰か Somebody』『名もなき毒』『ペテロの葬列』の3作は、探偵杉村三郎のキャラを作るために費やしたということ?
まさかキャラ作りのためだけということはないだろうけど、それにしても深慮遠謀ぶりがすごい。
びっくりです。

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宮部みゆき 『昨日がなければ明日もない』&『希望荘』刊行記念インタビュー #1/文藝春秋BOOKS

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