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2021/01/23

ボニン浄土/宇佐美まこと 漂流記+αの感想

◆読んだ本◆
・書名:ボニン浄土
・著者:宇佐美まこと
・初版出版社:小学館
・初版発行日:2020/6/16


◆おすすめ度◆
・江戸時代漂流記度:★★★★
・過去から受け継がれる念い度:★★★★
・全て決着させる几帳面な著者度:★★★


◆感想◆
1840年、気仙沼から出航した観音丸は大嵐に遭遇し漂流してしまう。五十日以上漂流し、水主たちは瀕死の状態になるが…

前半は、漂流の末にボニン・アイランド(現在の小笠原諸島)にたどり着いた水主たちの物語。
後半は、それから180年後の現在、ボニン・アイランドでの出来事が原因で起きる物語が、ミステリータッチでドラマチックに描かれます。

なんと言っても、前半の漂流記が面白い。
漂着した日本人は、ボニン・アイランドでどう過ごすのか。また、ボニン・アイランドに住んでいた人々は、どのような出自や文化をもっているのか。
これだけで一つの物語にしてもいい感じの漂流記です。

ところが著者は、それだけじゃ満足しないよう。
音楽一家に生まれた、チェロの演奏に苦悩する中学生や、自分のルーツを探そうとする根無し草の中年男性などを登場させ、さらにドラマチックな物語に。
おまけに江戸時代から戦中、戦後の小笠原諸島の歴史までわかっちゃうというおまけ付き。
小笠原の歴史が脈々と現在まで続いているように、ボニン・アイランドで生活していた人たちの「念い」が、今生きている人にもつながっているという。

小笠原に行きたくなること請け合いです。


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