だな通信 ミステリー文庫

国内の新刊ミステリー小説を中心とした独断的読書感想。 「面白い本なら何でもOK」というのが信条。 最近は新旧歴史時代小説やエンターテイメント、ライトノベルにも手を伸ばして節操のない状態に。趣味の合う方には参考になるかも。合わない方は評価を反対に見てね。

押入れのちよ/荻原浩

◆読んだ本◆
・書 名:押入れのちよ
・著 者:荻原浩
・出版社:新潮社
・定 価:1,500円
・発行日:2006/5/20

◆評価◆
・リアル&コミカル&ファンタジックなホラー度:★★★★★
・ブラック&シニカル&笑えるミステリー度:★★★★
・物悲しく切ない物語度:★★★★

◆感想◆
著者の守備範囲の広さを物語る、ホラー&ミステリー短編集。
ホラーありミステリーありコメディーやファンタジーありで、改めて著者の引き出しの多さと描写力に感心する。

印象が強かったのは、出だしの「お母さまのロシアのスープ」と表題作の「押入れのちよ」か。
「お母さまのロシアのスープ」は、短編集のつかみとしては最強の吸引力。
背中がゾクゾクする怖さとや先の読めない展開。歴史的背景をも俯瞰させる信ぴょう性。超怖い残酷な童話といった趣き。
小説に出てくるスープというのは曲者だ。

一転、「押入れのちよ」コミカルな中に哀切感のただようホラー小説。
主人公のお気楽ぶりが笑える一方、ちよの姿が不憫。

あくの強い短編もあったりして、素直で真面目な読者は生理的に受け付けないかもしれないが、筒井康隆で洗礼をうけトカジにはまっているような擦れっ枯らしの読者には、バラエティに富んだ短編集として楽しめる。

いずれ直木賞を受賞する作家だよね。

テーマ:感想,おすすめミステリー小説,本 - ジャンル:本・雑誌,本,感想,ミステリー

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